みる わかる 伝える
カスタマーレビュー
おすすめ度:
この本自体が「みる」、「わかる」、「伝える」の実践書。
(2008-10-09)
観察して、理解して、伝達する。これらは様々な場面で対象物を前に必要とされる
能力ですが、これを畑村流に解き明かした本と言えると思います。
これらの能力を「みる」、「わかる」、「伝える」の3編に分けて、数ページの
解説で成り立つ10項目程度を各々に割り当てています。
能力と役割を明確にし、それが欠けることで発生する不具合が事例を含めて平易な
イメージ図とともに説明が付きます。
本書を読めば、様々な面から自分が本当に観察、理解、伝達できているかを見直す
よいきっかけになると思います。
例えば、最近問題となった、湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故について
「10年でダメになるような製品であるなら、そのことを販売するときに言うべきだろう」
と述べており、「みる」という一つの能力の発展形であり、「時間軸を伸ばして
将来起こりうるところまでをみる」という視点で見ようとすれば、何らかの対策を
事前に打つことができたのではないか、と著者は言い、時間軸を取り入れた「みる」
視点を提案しています。
同様に「わかる」に対しては、「新たな学習パターンのテンプレートの構築」や
「直観による思考のショートカット」の提示、「伝える」の知識では、「やっては
いけないことをやったときに何が起こるか」と「やるべきことをやらなかった
ときに何が起こるか」の間違ったやり方の2つの側面について教えることで、
相手の理解を促進する方法の例示など、本書は、それ自体が正に「みる」、
「わかる」、「伝える」を実践した内容となっているのだと思います。
別に貶すつもりはないんですけど…
(2008-08-13)
この著者の本は、以前評判になった『直観でわかる数学』以来で、2冊目。正直に言うと、古書店に安く出ていたので、つい買ってしまった。イラスト豊富で、分かりやすそうで、気楽な読書にはいいかな、と思って…
ま、読んで悪い本じゃないですね。スイスイ読めます。ただしイラストは、実は参照しませんでした。だって、「ああ、コレがあるから、理解が助けられた!」っていうイラストは、ほとんどなかったですから。って言うか、文章が十分に簡略で、図式化された記述になっているので、必要ない感じ。
ただ、「伝える11 個で考え集団で共有する」の章の冒頭での、組織におけるプロジェクトの進め方の話には、ちょっとガックリ。畑村センセイは「仮に10人のメンバーがいて、そのうち1人もしくは2人が発案者になってミーティングで提案、それを残りの8人で検討するというやり方をしているとしたら、いますぐそんなやり方はやめた方がいい。時間の無駄だ。/ではどうするか。ミーティングの前に10人全員が、それぞれ個々にテーマについてトコトン考えるのである」(p144)と仰ってて、それはその通りなんだけど、実情から言えば、それができないから1人か2人がまず発案者になって…ってやるんですけどね。
全体にもっともな話が多いですし、頭の整理には役立つと思いますけど、それが出来りゃ苦労はないヨ、みたいな気分にもなります。
いかに暗黙知を表出させ、それを皆に伝えるかが鍵
(2008-05-13)
物事の見方、それの理解の仕方、そして自分の中で理解した知識を他人に伝える方法について書かれた本です(タイトルそのまんま)。
この中で興味を引いたのは「暗黙知の表出」と「伝える」の2つ。
暗黙知は簡単に言えば「お前、知ってて当然だろ?」といったこと。そしてそのことについて質問したら「お前何言ってんだ?知ってて当たり前だろ!」「お前、バカ?」と怒られるような知識です。大抵のトラブルや情報の伝達ミスは、この暗黙知にあると思います。
ただ、現実問題としてそういう暗黙知は共有されることはなく、「他人と差別化するための知識(思い込み)」としてその人の中に囲い込まれる場合が多いと思います。それを打ち壊すことが「みる わかる 伝える」の鍵だと思います。
そして伝えるについては「いかにして相手に伝えるか」ではなく「相手が欲しいと思う状況を作り、そして伝わったかどうかのフィードバックを行うこと」とあり、山本五十六の「やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめてやらねば 人は動かじ」という語録と言っていることは同じだと思いました。
ニュースになるようなトラブルや事故に限らず、仕事上のトラブルやミスが発生した場合、それをこの本に書かれていることに当てはめて考えてみると、何に問題があったのか、どうすれば解決できるか、その道筋を見つけることができるのではないかと思います。
失敗しないための方法
(2008-04-06)
失敗を蓄積することは、失敗しないための方策である。
しかし、それだけでは十分ではなく、本書に書かれているような、
みる、わかる、伝えることに対する技術がなければ、過去の失敗も上手く生かされないことがわかる。
基本的な技術なので、習得しておくことは大切だ。
対象によって見方が違い、内容に対する自分の立場によって分かり方が違い、相手と自分の関係によって伝え方が違うことが習得できれることが大切ではないだろうか。
丸覚えする参考書
(2008-04-03)
この本は最近の畑村洋太郎先生の考えを総まとめにした本です。要点だけを書いている参考書のような体裁をとっています。参考書だから丸覚えして使いましょう。仕事や日常生活において、この本の内容がバックグラウンドで働いてくれるようになります。さらに畑村先生の考えを知りたくなったら、講談社の現代新書の本がお勧めです。岩波書店から出ている『技術の創造と設計』という本は畑村先生の集大成といえる本ですので一番お勧めですが、いかんせん大部です。まずはこの本で、ご自身に合うかどうか確かめてみては。自分が変わり始める経験をなさる事でしょう。
おすすめ度:
この本自体が「みる」、「わかる」、「伝える」の実践書。
観察して、理解して、伝達する。これらは様々な場面で対象物を前に必要とされる
能力ですが、これを畑村流に解き明かした本と言えると思います。
これらの能力を「みる」、「わかる」、「伝える」の3編に分けて、数ページの
解説で成り立つ10項目程度を各々に割り当てています。
能力と役割を明確にし、それが欠けることで発生する不具合が事例を含めて平易な
イメージ図とともに説明が付きます。
本書を読めば、様々な面から自分が本当に観察、理解、伝達できているかを見直す
よいきっかけになると思います。
例えば、最近問題となった、湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故について
「10年でダメになるような製品であるなら、そのことを販売するときに言うべきだろう」
と述べており、「みる」という一つの能力の発展形であり、「時間軸を伸ばして
将来起こりうるところまでをみる」という視点で見ようとすれば、何らかの対策を
事前に打つことができたのではないか、と著者は言い、時間軸を取り入れた「みる」
視点を提案しています。
同様に「わかる」に対しては、「新たな学習パターンのテンプレートの構築」や
「直観による思考のショートカット」の提示、「伝える」の知識では、「やっては
いけないことをやったときに何が起こるか」と「やるべきことをやらなかった
ときに何が起こるか」の間違ったやり方の2つの側面について教えることで、
相手の理解を促進する方法の例示など、本書は、それ自体が正に「みる」、
「わかる」、「伝える」を実践した内容となっているのだと思います。
別に貶すつもりはないんですけど…
この著者の本は、以前評判になった『直観でわかる数学』以来で、2冊目。正直に言うと、古書店に安く出ていたので、つい買ってしまった。イラスト豊富で、分かりやすそうで、気楽な読書にはいいかな、と思って…
ま、読んで悪い本じゃないですね。スイスイ読めます。ただしイラストは、実は参照しませんでした。だって、「ああ、コレがあるから、理解が助けられた!」っていうイラストは、ほとんどなかったですから。って言うか、文章が十分に簡略で、図式化された記述になっているので、必要ない感じ。
ただ、「伝える11 個で考え集団で共有する」の章の冒頭での、組織におけるプロジェクトの進め方の話には、ちょっとガックリ。畑村センセイは「仮に10人のメンバーがいて、そのうち1人もしくは2人が発案者になってミーティングで提案、それを残りの8人で検討するというやり方をしているとしたら、いますぐそんなやり方はやめた方がいい。時間の無駄だ。/ではどうするか。ミーティングの前に10人全員が、それぞれ個々にテーマについてトコトン考えるのである」(p144)と仰ってて、それはその通りなんだけど、実情から言えば、それができないから1人か2人がまず発案者になって…ってやるんですけどね。
全体にもっともな話が多いですし、頭の整理には役立つと思いますけど、それが出来りゃ苦労はないヨ、みたいな気分にもなります。
いかに暗黙知を表出させ、それを皆に伝えるかが鍵
物事の見方、それの理解の仕方、そして自分の中で理解した知識を他人に伝える方法について書かれた本です(タイトルそのまんま)。
この中で興味を引いたのは「暗黙知の表出」と「伝える」の2つ。
暗黙知は簡単に言えば「お前、知ってて当然だろ?」といったこと。そしてそのことについて質問したら「お前何言ってんだ?知ってて当たり前だろ!」「お前、バカ?」と怒られるような知識です。大抵のトラブルや情報の伝達ミスは、この暗黙知にあると思います。
ただ、現実問題としてそういう暗黙知は共有されることはなく、「他人と差別化するための知識(思い込み)」としてその人の中に囲い込まれる場合が多いと思います。それを打ち壊すことが「みる わかる 伝える」の鍵だと思います。
そして伝えるについては「いかにして相手に伝えるか」ではなく「相手が欲しいと思う状況を作り、そして伝わったかどうかのフィードバックを行うこと」とあり、山本五十六の「やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめてやらねば 人は動かじ」という語録と言っていることは同じだと思いました。
ニュースになるようなトラブルや事故に限らず、仕事上のトラブルやミスが発生した場合、それをこの本に書かれていることに当てはめて考えてみると、何に問題があったのか、どうすれば解決できるか、その道筋を見つけることができるのではないかと思います。
失敗しないための方法
失敗を蓄積することは、失敗しないための方策である。
しかし、それだけでは十分ではなく、本書に書かれているような、
みる、わかる、伝えることに対する技術がなければ、過去の失敗も上手く生かされないことがわかる。
基本的な技術なので、習得しておくことは大切だ。
対象によって見方が違い、内容に対する自分の立場によって分かり方が違い、相手と自分の関係によって伝え方が違うことが習得できれることが大切ではないだろうか。
丸覚えする参考書
この本は最近の畑村洋太郎先生の考えを総まとめにした本です。要点だけを書いている参考書のような体裁をとっています。参考書だから丸覚えして使いましょう。仕事や日常生活において、この本の内容がバックグラウンドで働いてくれるようになります。さらに畑村先生の考えを知りたくなったら、講談社の現代新書の本がお勧めです。岩波書店から出ている『技術の創造と設計』という本は畑村先生の集大成といえる本ですので一番お勧めですが、いかんせん大部です。まずはこの本で、ご自身に合うかどうか確かめてみては。自分が変わり始める経験をなさる事でしょう。
