富裕層はなぜ、YUCASEE(ゆかし)に入るのか
カスタマーレビュー
おすすめ度:
知識は活力の源
(2009-01-07)
純金融資産1億円以上所有する富裕層のみが入会する権利を持つ会員制クラブ「ゆかし」。
日本の富裕層は年間5%以上増加しているそうだが、その中でも、後天的に富裕層になった「インテリッチ」と呼ばれる人たちの知識・情報に対する価値観や考え方に非常に良い刺激を受けた。彼らにとっては、「より良質な情報を入手したい。同じ価値観を共有したい」という思いがあるからこそこのメンバーズクラブの存在意義があるということだ。
格差是正が争点になり平等を追及する日本社会の現状があるわけだが、他とは違う視点のユニークさや差別化に繋がる知識や知性こそ日本が大事にしなければならない活力の種のはず。
最初は富裕層の世界を覗いてみたくて興味半分で読んだのだが、意外にも自己啓発に役立つ良書で、情報の真価を考えたり少しでも良い情報を探しに行くモチベーションに繋がった。
【Success】
(2008-05-06)
【本書購読におけるポイント】
◆自らも新富裕層であるインテリッチを体感できる
◆ビジネスを行ううえでのターゲティングの重要性の再認識
◆本のカバーや文中のドバイ等の写真が艶やかで所有することで話題が生まれる
『日経ビジネス』の巻頭特集「時事潮流」を見て
(2008-04-11)
定期購読している『日経ビジネス』の巻頭特集「時事潮流」でYUCASEEが紹介されており、興味が湧いて同書を購入。成熟した消費社会では従来のようにマス向けの商品をただ陳列するだけでは誰も買おうとは思わない。そういう中で「富裕層のニーズをまず伺った上で商品を探し顧客に提案する」というスタイルは流通におけるコロンブスの卵の発想と言える。本著が最終章で訴えるように「個人が主役の社会」は生産者ではなく「消費者が主役」。新世代の富裕層に関する本ではあるが、成熟社会における流通のあり方の新モデルについての示唆を与えてくれる本である。
「日本の富裕層はまだ12歳の少年」トリックルダウン効果の妄信は自らの首を絞める
(2008-04-05)
プロモーションの模範のような本である。高岡氏の如才ない商魂には賛嘆の他ない。だが残念ながら、質の高さと情報の凝縮度においては、ロバート・フランク『ザ・ニューリッチ』に遠く及ばない。こちらはリッチスタン(富裕層の帝国)の陰影も浮き彫りにしており、富裕層の資産が大きな市場リスクに晒されていること、マージン・ローンの逆レバレッジ効果、回転売買で美術作品の値を吊り上げるHFマネジャーの存在、富裕層の子供が薬物中毒に陥る確率が高いこと、巨額の資産は必ずしも人を幸福にしないこと、等々が語られている。
ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
凄まじい意欲で事業に取り組む或る超富裕層は、「カネは自白剤であり、人間の本質を明らかにする」と語っている。今後のYUCASEEメンバーの言動に注目、かつ期待したい。日本の富裕層の実力次第で、この社会には新しい地平が拓かれる筈だ。既にアメリカでは、使い尽くせない資産を持つ超富裕層が、環境・教育・福祉といった長期的な取り組みの必要な分野のソリューションへ邁進しつつある。日本の富裕層がシンガポールへの脱出をちらつかせ政府を恫喝するばかりでないことを望む。
ポール・ファッセルは著作『Class(階級)』で富裕層と貧困層が瓜二つで似ていることを指摘しているが、日本もまた同様であることを確認して興味深く思った。前者は自分たちへの嫉視を攻撃して減税を要求し、後者は富裕層の税率を高めて自分たちの取り分を増やそうとする。まさにそっくりである。単純に自らの属する階層の利害を守ろうとするだけでは、この社会を二つに割る分離主義に陥る他なかろう。
今後の日本社会は富裕層の言動如何で決まる。他者への猜疑に満ちて自らの資産をどこまでも守ろうとする富裕層の国になるか、高い使命を掲げてどこまでも日本社会の希望となるか(故小倉昌男氏のように)、まだまだYUCASEEの社会貢献は「12歳の少年レベル」であるが(最低でもあしなが育英会とPlanを寄付先に加えるべきだろう)、今後の発展を期待してやまない。尚、PJの野口社長は、本気で社会貢献を行うには500億円程は必要と語っているそうである。
あしなが運動と玉井義臣―歴史社会学的考察
高岡氏の目的はアメリカナイズにあると思われるが、日本の誇る研究者イチロー・カワチ教授は「経済的格差の拡大は、治安を悪化させ、平均寿命を縮める」との調査結果を発表している。我々の歩むべき道を他国に求めることはできないのである。
不平等が健康を損なう
最後になるが、真にYUCASEEから利益を得るのは「富裕層向けのサービス事業を構想している富裕層」であり、一般大衆ではない。
追記:バラク・オバマ新大統領は、当選直後の歴史的な演説で「Main street が苦しんでいる時に Wall street が繁栄するなどということがあってはならない」と語っている。また、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授も「トリックルダウン理論は有効ではない」と明言している。おのれに不都合なことは口にしない高岡氏の思想は、既に時代から遅れている。
日本版のエリート交流組織
(2008-04-03)
この「ゆかし」という富裕層の所属するプライヴェートクラブは、今はやりの「スモールワールド・ネットワーク」の一種だろう。海外にも財界人が集まって交流し、人脈を深める、ビルダーバーグ会議やボヘミアン・クラブのような会合があるが、「ゆかし」もそのようなたぐいのクラブだろう。富裕層は富裕層ゆえの悩みがあるということかもしれないし、ビジネス上以外のつながりを求めているということである。
おすすめ度:
知識は活力の源
純金融資産1億円以上所有する富裕層のみが入会する権利を持つ会員制クラブ「ゆかし」。
日本の富裕層は年間5%以上増加しているそうだが、その中でも、後天的に富裕層になった「インテリッチ」と呼ばれる人たちの知識・情報に対する価値観や考え方に非常に良い刺激を受けた。彼らにとっては、「より良質な情報を入手したい。同じ価値観を共有したい」という思いがあるからこそこのメンバーズクラブの存在意義があるということだ。
格差是正が争点になり平等を追及する日本社会の現状があるわけだが、他とは違う視点のユニークさや差別化に繋がる知識や知性こそ日本が大事にしなければならない活力の種のはず。
最初は富裕層の世界を覗いてみたくて興味半分で読んだのだが、意外にも自己啓発に役立つ良書で、情報の真価を考えたり少しでも良い情報を探しに行くモチベーションに繋がった。
【Success】
【本書購読におけるポイント】
◆自らも新富裕層であるインテリッチを体感できる
◆ビジネスを行ううえでのターゲティングの重要性の再認識
◆本のカバーや文中のドバイ等の写真が艶やかで所有することで話題が生まれる
『日経ビジネス』の巻頭特集「時事潮流」を見て
定期購読している『日経ビジネス』の巻頭特集「時事潮流」でYUCASEEが紹介されており、興味が湧いて同書を購入。成熟した消費社会では従来のようにマス向けの商品をただ陳列するだけでは誰も買おうとは思わない。そういう中で「富裕層のニーズをまず伺った上で商品を探し顧客に提案する」というスタイルは流通におけるコロンブスの卵の発想と言える。本著が最終章で訴えるように「個人が主役の社会」は生産者ではなく「消費者が主役」。新世代の富裕層に関する本ではあるが、成熟社会における流通のあり方の新モデルについての示唆を与えてくれる本である。
「日本の富裕層はまだ12歳の少年」トリックルダウン効果の妄信は自らの首を絞める
プロモーションの模範のような本である。高岡氏の如才ない商魂には賛嘆の他ない。だが残念ながら、質の高さと情報の凝縮度においては、ロバート・フランク『ザ・ニューリッチ』に遠く及ばない。こちらはリッチスタン(富裕層の帝国)の陰影も浮き彫りにしており、富裕層の資産が大きな市場リスクに晒されていること、マージン・ローンの逆レバレッジ効果、回転売買で美術作品の値を吊り上げるHFマネジャーの存在、富裕層の子供が薬物中毒に陥る確率が高いこと、巨額の資産は必ずしも人を幸福にしないこと、等々が語られている。
ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
凄まじい意欲で事業に取り組む或る超富裕層は、「カネは自白剤であり、人間の本質を明らかにする」と語っている。今後のYUCASEEメンバーの言動に注目、かつ期待したい。日本の富裕層の実力次第で、この社会には新しい地平が拓かれる筈だ。既にアメリカでは、使い尽くせない資産を持つ超富裕層が、環境・教育・福祉といった長期的な取り組みの必要な分野のソリューションへ邁進しつつある。日本の富裕層がシンガポールへの脱出をちらつかせ政府を恫喝するばかりでないことを望む。
ポール・ファッセルは著作『Class(階級)』で富裕層と貧困層が瓜二つで似ていることを指摘しているが、日本もまた同様であることを確認して興味深く思った。前者は自分たちへの嫉視を攻撃して減税を要求し、後者は富裕層の税率を高めて自分たちの取り分を増やそうとする。まさにそっくりである。単純に自らの属する階層の利害を守ろうとするだけでは、この社会を二つに割る分離主義に陥る他なかろう。
今後の日本社会は富裕層の言動如何で決まる。他者への猜疑に満ちて自らの資産をどこまでも守ろうとする富裕層の国になるか、高い使命を掲げてどこまでも日本社会の希望となるか(故小倉昌男氏のように)、まだまだYUCASEEの社会貢献は「12歳の少年レベル」であるが(最低でもあしなが育英会とPlanを寄付先に加えるべきだろう)、今後の発展を期待してやまない。尚、PJの野口社長は、本気で社会貢献を行うには500億円程は必要と語っているそうである。
あしなが運動と玉井義臣―歴史社会学的考察
高岡氏の目的はアメリカナイズにあると思われるが、日本の誇る研究者イチロー・カワチ教授は「経済的格差の拡大は、治安を悪化させ、平均寿命を縮める」との調査結果を発表している。我々の歩むべき道を他国に求めることはできないのである。
不平等が健康を損なう
最後になるが、真にYUCASEEから利益を得るのは「富裕層向けのサービス事業を構想している富裕層」であり、一般大衆ではない。
追記:バラク・オバマ新大統領は、当選直後の歴史的な演説で「Main street が苦しんでいる時に Wall street が繁栄するなどということがあってはならない」と語っている。また、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授も「トリックルダウン理論は有効ではない」と明言している。おのれに不都合なことは口にしない高岡氏の思想は、既に時代から遅れている。
日本版のエリート交流組織
この「ゆかし」という富裕層の所属するプライヴェートクラブは、今はやりの「スモールワールド・ネットワーク」の一種だろう。海外にも財界人が集まって交流し、人脈を深める、ビルダーバーグ会議やボヘミアン・クラブのような会合があるが、「ゆかし」もそのようなたぐいのクラブだろう。富裕層は富裕層ゆえの悩みがあるということかもしれないし、ビジネス上以外のつながりを求めているということである。
