戦略不全の因果―1013社の明暗はどこで分かれたのか
カスタマーレビュー
おすすめ度:
お疲れ様でした
(2008-10-22)
すばらしい。たいへん手間がかかっているのが
よくわかる。にしても、売れないんだよね。
数十年後に戦略が不全してるっていわれて
もね。遅すぎる。
本書の良いところは本文の内容がよくわからん
という私のような頭の悪い読者のためか、サマリー
を作ってくれているところだ。それを
読むだけでも価値有り。天晴れ。
あまり納得できない
(2008-10-22)
データ整理の緻密さは評価、敬服するが、結論はいただけない。経営学ではなく
産業論なのか。理由は下記の通り。
1)現在の戦略不全の原因を数十年前の戦略転換ミスに帰するナンセンス。
2)優良企業の立地は処方薬、電気工事の分野。電気工事の大株主は電力系で
あることを一切書かず。医薬や電力は完全な規制産業。
3)上記論理から推測すると、現代日本企業の経営者は50年後の将来を正確に
予測し、規制産業に転地すべき、となる。
4)10年後の予想もままならないことは、10年前を振り返って、現在の状況を
予測できたかどうか考えれば見当がつく。
5)今後は、経営者の直観力が研究課題というが、その分野の研究は既に
日本でもかなり蓄積されており、著者が初めて発見したかのような描写は
疑問。
6)日本企業の利益率の低さは、戦略不全の証拠なのか。株主圧力にさらされ
短期利益を追い求める欧米企業とは一線を画して別指標で説明すべき。
やっぱりよかったです
(2008-04-06)
戦略不全の論理を読んだ方は、御理解頂けるかも知れませんが、
前作よりも、データの量が多く記載されており、
書籍というよりは、論文!?資料!?といった内容でした。
とはいえ、前作を読んでなくても、大丈夫な内容の本だと思います。
冒頭に「訓戒」「指針」といったところに、
記載されている内容が、順に暴かれていく構成となっていて、
前半は日本の上場企業1013社を、ある指標を用い(Σとか覚えてないっす)
企業の利益成長の「持続力と跳躍力」と、戦略のリスクを測定し、
戦略不全企業をあぶりだしています。
あと、この本では新しいキーワードとして、
「事業立地」という言葉がちょくちょく登場します。
この辺の話は、ビジョナリーカンパニーでも書かれていましたが、
事業立地に関しては、経営者が肥沃な事業立地を選ぶかどうか、
また事業立地が不毛になる前に肥沃なところに
「転地できるか」が分かれ目だと三品先生は言っていました。
なんせ、データの量がハンパないです。
論文には、データがなければ何も証明したことにはならない。
とは言いますが、ここまで実名を出し、オタクの会社は戦略不全を起こしています。
つまり、戦略が機能していないので、しっかりしてくださいよ。
とアナウンスするのは、ある意味スゴイことですね。
日本企業の経営層は絶対読むべき
(2008-01-21)
本書は前著「戦略不全の論理」の続編的位置づけとして出版された本であるが、必ずしも前著を読んでいなくても全く問題ない(私自身前著は読んでいない)。本書の前半は日本の上場企業1000社強のうち、3つの指標を用いて戦略不全企業をあぶりだしている。3つの指標の細かい話は述べないが、それなりの納得性はある。それでは戦略不全とは何か?それを明らかにするために、著者は戦略不全企業の正反対にいる優良企業(彼は単純に「対照企業」と呼んでいる)も同様に3つの指標からあぶりだし、それとの比較分析において原因を明らかにせんとしている。他の経営本にありがちな、いかにも著者の恣意的な選定による優良企業ケーススタディではなく、客観的に導出された優良企業、不全企業の比較分析をしているところに大変共感した。
本書の素晴らしいところは、この手の泥臭い分析は下手をすると専門学会誌でしかとりあげにくいようなところを、がんばって一般読者にも理解可能なレベルまで「なんとか」噛み砕いているところである。ここは一般読者に対してもギリギリセーフという感じがある。本書では必要以上に図表を駆使し、読者にわかりやすくしようという努力が垣間見られることに共感を覚えた(ただしいくつかの図表はかなり見づらかったが)。
本書の前半は上述したようなデータハンドリングが紙面を占めている。そして後半が肝心の主題である、戦略不全企業の原因分析であるが、ここで著者は「事業立地」という企業の意思決定の中でも一番根っこにある部分にフォーカスを当て、経営者が肥沃な事業立地を選ぶかどうか、また事業立地が不毛になる前に肥沃なところに「転地できるか」が分かれ目だとしている。またさらにこれを深堀して、ではなぜ戦略不全企業の経営者はこれができないのか?という点についても4つの要因を掲げているなど、とにかく最後の最後まで綿密な分析を続けているという点で感服した。4つの要因のうち1つは精神論的な感もあり若干無理も感じたが、本書はぜひ日本企業の経営層の方々に読んでもらいたい本である。
余談であるが、本書を読んで「事業立地の選択と転地」という概念は企業だけでなく国家や個人にもあてはまると感じた。優れた人ならば仮に戦略不全企業に入社してしまって、その企業が一向に転地する気配がないならば、自分自身を「転地」させてしまうだろう。また国家を見ても、欧州で復興を遂げているような国々などはおしなべて不毛になってしまった自国の主要産業を「転地」させることに成功しているように思える。本書、読みとおすのは大変だが一読の価値は十分ある。
おすすめ度:
お疲れ様でした
すばらしい。たいへん手間がかかっているのが
よくわかる。にしても、売れないんだよね。
数十年後に戦略が不全してるっていわれて
もね。遅すぎる。
本書の良いところは本文の内容がよくわからん
という私のような頭の悪い読者のためか、サマリー
を作ってくれているところだ。それを
読むだけでも価値有り。天晴れ。
あまり納得できない
データ整理の緻密さは評価、敬服するが、結論はいただけない。経営学ではなく
産業論なのか。理由は下記の通り。
1)現在の戦略不全の原因を数十年前の戦略転換ミスに帰するナンセンス。
2)優良企業の立地は処方薬、電気工事の分野。電気工事の大株主は電力系で
あることを一切書かず。医薬や電力は完全な規制産業。
3)上記論理から推測すると、現代日本企業の経営者は50年後の将来を正確に
予測し、規制産業に転地すべき、となる。
4)10年後の予想もままならないことは、10年前を振り返って、現在の状況を
予測できたかどうか考えれば見当がつく。
5)今後は、経営者の直観力が研究課題というが、その分野の研究は既に
日本でもかなり蓄積されており、著者が初めて発見したかのような描写は
疑問。
6)日本企業の利益率の低さは、戦略不全の証拠なのか。株主圧力にさらされ
短期利益を追い求める欧米企業とは一線を画して別指標で説明すべき。
やっぱりよかったです
戦略不全の論理を読んだ方は、御理解頂けるかも知れませんが、
前作よりも、データの量が多く記載されており、
書籍というよりは、論文!?資料!?といった内容でした。
とはいえ、前作を読んでなくても、大丈夫な内容の本だと思います。
冒頭に「訓戒」「指針」といったところに、
記載されている内容が、順に暴かれていく構成となっていて、
前半は日本の上場企業1013社を、ある指標を用い(Σとか覚えてないっす)
企業の利益成長の「持続力と跳躍力」と、戦略のリスクを測定し、
戦略不全企業をあぶりだしています。
あと、この本では新しいキーワードとして、
「事業立地」という言葉がちょくちょく登場します。
この辺の話は、ビジョナリーカンパニーでも書かれていましたが、
事業立地に関しては、経営者が肥沃な事業立地を選ぶかどうか、
また事業立地が不毛になる前に肥沃なところに
「転地できるか」が分かれ目だと三品先生は言っていました。
なんせ、データの量がハンパないです。
論文には、データがなければ何も証明したことにはならない。
とは言いますが、ここまで実名を出し、オタクの会社は戦略不全を起こしています。
つまり、戦略が機能していないので、しっかりしてくださいよ。
とアナウンスするのは、ある意味スゴイことですね。
日本企業の経営層は絶対読むべき
本書は前著「戦略不全の論理」の続編的位置づけとして出版された本であるが、必ずしも前著を読んでいなくても全く問題ない(私自身前著は読んでいない)。本書の前半は日本の上場企業1000社強のうち、3つの指標を用いて戦略不全企業をあぶりだしている。3つの指標の細かい話は述べないが、それなりの納得性はある。それでは戦略不全とは何か?それを明らかにするために、著者は戦略不全企業の正反対にいる優良企業(彼は単純に「対照企業」と呼んでいる)も同様に3つの指標からあぶりだし、それとの比較分析において原因を明らかにせんとしている。他の経営本にありがちな、いかにも著者の恣意的な選定による優良企業ケーススタディではなく、客観的に導出された優良企業、不全企業の比較分析をしているところに大変共感した。
本書の素晴らしいところは、この手の泥臭い分析は下手をすると専門学会誌でしかとりあげにくいようなところを、がんばって一般読者にも理解可能なレベルまで「なんとか」噛み砕いているところである。ここは一般読者に対してもギリギリセーフという感じがある。本書では必要以上に図表を駆使し、読者にわかりやすくしようという努力が垣間見られることに共感を覚えた(ただしいくつかの図表はかなり見づらかったが)。
本書の前半は上述したようなデータハンドリングが紙面を占めている。そして後半が肝心の主題である、戦略不全企業の原因分析であるが、ここで著者は「事業立地」という企業の意思決定の中でも一番根っこにある部分にフォーカスを当て、経営者が肥沃な事業立地を選ぶかどうか、また事業立地が不毛になる前に肥沃なところに「転地できるか」が分かれ目だとしている。またさらにこれを深堀して、ではなぜ戦略不全企業の経営者はこれができないのか?という点についても4つの要因を掲げているなど、とにかく最後の最後まで綿密な分析を続けているという点で感服した。4つの要因のうち1つは精神論的な感もあり若干無理も感じたが、本書はぜひ日本企業の経営層の方々に読んでもらいたい本である。
余談であるが、本書を読んで「事業立地の選択と転地」という概念は企業だけでなく国家や個人にもあてはまると感じた。優れた人ならば仮に戦略不全企業に入社してしまって、その企業が一向に転地する気配がないならば、自分自身を「転地」させてしまうだろう。また国家を見ても、欧州で復興を遂げているような国々などはおしなべて不毛になってしまった自国の主要産業を「転地」させることに成功しているように思える。本書、読みとおすのは大変だが一読の価値は十分ある。
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