モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》 [DVD]
モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》 [DVD]
アーノンクール(ニコラウス)(指揮)
モーツァルト(作曲)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)
ユニバーサル ミュージック クラシック
グループ:DVD /ランキング:41739
価格:¥ 6,195
発売日:2007-07-25 /通常24時間以内に発送
アーノンクール(ニコラウス)(指揮)
モーツァルト(作曲)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)
ユニバーサル ミュージック クラシック
グループ:DVD /ランキング:41739
価格:¥ 6,195
発売日:2007-07-25 /通常24時間以内に発送
曲目リスト
1.序曲(オープニング・クレジット)
2.第1幕 ATTO PRIMO::第1曲 小二重唱:「5…10…20…30」
3.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「愛しいフィガロ、何を測っているの?」
4.第1幕 ATTO PRIMO::第2曲 小二重唱:「例えば奥様が」
5.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「それなら黙って聞いてね」
6.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「さすがだ、ご主人様!」
7.第1幕 ATTO PRIMO::第3曲 カヴァティーナ:「ご主人様よ、もし踊りを踊られるのなら」
8.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「結婚式の日取りが」
9.第1幕 ATTO PRIMO::第4曲 アリア:「復讐だ!ああ、復讐だ!」
10.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「見込みはありそうね」
11.第1幕 ATTO PRIMO::第5曲 小二重唱:「お先にどうぞ、輝かしい若奥様」
12.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「さっさとお行き、うるさい婆さん」
13.第1幕 ATTO PRIMO::第6曲 アリア:「自分が自分で分からない」
14.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「もう、おしまいだ」
15.第1幕 ATTO PRIMO::第7曲 小三重唱:「何だと!すぐに行って」
16.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「フィガロを捜して」
17.第1幕 ATTO PRIMO::第8曲 合唱:「幸せな娘たちよ、花をまき散らそう」
18.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「何事だ?」
19.第1幕 ATTO PRIMO::第9曲 合唱:「幸せな娘たちよ、花をまき散らそう」
20.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「バンザイ!」
21.第1幕 ATTO PRIMO::第10曲 アリア:「もう飛べないね、恋の蝶々さん」
22.第2幕 ATTO SECOND::第11曲 カヴァティーナ:「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」
23.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「スザンナ、最後まで話して」
24.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「あんな若者に」
25.第2幕 ATTO SECOND::第12曲 アリエッタ:「恋とはどんなものか」
26.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「素晴しいわ!いい声ね!」
27.第2幕 ATTO SECOND::第13曲 アリア:「いらっしゃい、ひざまずくのよ」
28.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「つまらないことを!」
29.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「珍しいな!」
30.第2幕 ATTO SECOND::第14曲 三重唱:「スザンナ、出てきなさい」
31.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「開けない気か?」
32.第2幕 ATTO SECOND::第15曲 小二重唱:「開けて、急いで、スザンナよ」
33.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「まあ、小悪魔ね!」
34.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「何も変ってないな」
35.第2幕 ATTO SECOND::第16曲 フィナーレ:「出てこい、無礼な小僧よ!」
36.第2幕 ATTO SECOND::「楽師たちの用意ができました」
37.第2幕 ATTO SECOND::「あの…」
38.第2幕 ATTO SECOND::「公明正大なる伯爵様」
1.序曲(オープニング・クレジット)
2.第1幕 ATTO PRIMO::第1曲 小二重唱:「5…10…20…30」
3.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「愛しいフィガロ、何を測っているの?」
4.第1幕 ATTO PRIMO::第2曲 小二重唱:「例えば奥様が」
5.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「それなら黙って聞いてね」
6.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「さすがだ、ご主人様!」
7.第1幕 ATTO PRIMO::第3曲 カヴァティーナ:「ご主人様よ、もし踊りを踊られるのなら」
8.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「結婚式の日取りが」
9.第1幕 ATTO PRIMO::第4曲 アリア:「復讐だ!ああ、復讐だ!」
10.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「見込みはありそうね」
11.第1幕 ATTO PRIMO::第5曲 小二重唱:「お先にどうぞ、輝かしい若奥様」
12.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「さっさとお行き、うるさい婆さん」
13.第1幕 ATTO PRIMO::第6曲 アリア:「自分が自分で分からない」
14.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「もう、おしまいだ」
15.第1幕 ATTO PRIMO::第7曲 小三重唱:「何だと!すぐに行って」
16.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「フィガロを捜して」
17.第1幕 ATTO PRIMO::第8曲 合唱:「幸せな娘たちよ、花をまき散らそう」
18.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「何事だ?」
19.第1幕 ATTO PRIMO::第9曲 合唱:「幸せな娘たちよ、花をまき散らそう」
20.第1幕 ATTO PRIMO::レチタティーヴォ:「バンザイ!」
21.第1幕 ATTO PRIMO::第10曲 アリア:「もう飛べないね、恋の蝶々さん」
22.第2幕 ATTO SECOND::第11曲 カヴァティーナ:「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」
23.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「スザンナ、最後まで話して」
24.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「あんな若者に」
25.第2幕 ATTO SECOND::第12曲 アリエッタ:「恋とはどんなものか」
26.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「素晴しいわ!いい声ね!」
27.第2幕 ATTO SECOND::第13曲 アリア:「いらっしゃい、ひざまずくのよ」
28.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「つまらないことを!」
29.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「珍しいな!」
30.第2幕 ATTO SECOND::第14曲 三重唱:「スザンナ、出てきなさい」
31.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「開けない気か?」
32.第2幕 ATTO SECOND::第15曲 小二重唱:「開けて、急いで、スザンナよ」
33.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「まあ、小悪魔ね!」
34.第2幕 ATTO SECOND::レチタティーヴォ:「何も変ってないな」
35.第2幕 ATTO SECOND::第16曲 フィナーレ:「出てこい、無礼な小僧よ!」
36.第2幕 ATTO SECOND::「楽師たちの用意ができました」
37.第2幕 ATTO SECOND::「あの…」
38.第2幕 ATTO SECOND::「公明正大なる伯爵様」
曲目リスト2
1.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「解せない話だ!」
2.第3幕 ATTO TERZO::第17曲 小二重唱:「ひどい奴だ、なぜ今まで私をじらせた?」
3.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「なぜ今朝は冷たくした?」
4.第3幕 ATTO TERZO::第18曲 レチタティーヴォとアリア:「勝ったわよだと!」
5.第3幕 ATTO TERZO::「私はため息をつきながら、召し使いの幸せを見るのか?」
6.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「判決が出ました」
7.第3幕 ATTO TERZO::第19曲 六重唱:「愛する息子を抱かせておくれ」
8.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「私たちの昔の愛の結晶ですわ」
9.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「行きましょうよ、お小姓さん」
10.第3幕 ATTO TERZO::第20曲 レチタティーヴォとアリア:「スザンナはまだ来ないわ!」
11.第3幕 ATTO TERZO::「あの幸せな時は、どこへ行ってしまったの?」
12.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「ケルビーノはまだ館の中にいます」
13.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「何ということ!」
14.第3幕 ATTO TERZO::第21曲 小二重唱:「そよ風の…」―「優しいそよ風が…」
15.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「手紙はたたんで」
16.第3幕 ATTO TERZO::第22曲 合唱:「このバラのお花をお受け取り下さい」
17.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「奥様 ここにいるのは近所の娘たちです」
18.第3幕 ATTO TERZO::第23曲 フィナーレ:「行進曲です、行きましょう」
19.第4幕 ATTO QUARTO::第24曲 カヴァティーナ:「失くしちゃった、困ったわ」
20.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「バルバリーナ、何してる?」
21.第4幕 ATTO QUARTO::第25曲 アリア:「牡ヤギと牝ヤギはいつも仲良し」
22.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「誰だ?」
23.第4幕 ATTO QUARTO::第26曲 アリア:「私も若い頃は」
24.第4幕 ATTO QUARTO::第27曲 レチタティーヴォとアリア:「すべての用意は整った」
25.第4幕 ATTO QUARTO::「目を開け、無関心で愚かな男たちよ!」
26.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「奥様、震えておいでですか?」
27.第4幕 ATTO QUARTO::第28曲 レチタティーヴォとアリア:「やっと、その時が来たわ」
28.第4幕 ATTO QUARTO::「どうかすぐに来て、素晴らしい喜びよ」
29.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「ひどい奴だ!俺をだます気か?」
30.第4幕 ATTO QUARTO::第29曲 フィナーレ:「そっと近づいてみよう」
31.第4幕 ATTO QUARTO::「すべては静かで穏やかだ」
32.第4幕 ATTO QUARTO::「誰か来てくれ、武器を取れ!」
33.第4幕 ATTO QUARTO::クロージング・クレジット
1.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「解せない話だ!」
2.第3幕 ATTO TERZO::第17曲 小二重唱:「ひどい奴だ、なぜ今まで私をじらせた?」
3.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「なぜ今朝は冷たくした?」
4.第3幕 ATTO TERZO::第18曲 レチタティーヴォとアリア:「勝ったわよだと!」
5.第3幕 ATTO TERZO::「私はため息をつきながら、召し使いの幸せを見るのか?」
6.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「判決が出ました」
7.第3幕 ATTO TERZO::第19曲 六重唱:「愛する息子を抱かせておくれ」
8.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「私たちの昔の愛の結晶ですわ」
9.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「行きましょうよ、お小姓さん」
10.第3幕 ATTO TERZO::第20曲 レチタティーヴォとアリア:「スザンナはまだ来ないわ!」
11.第3幕 ATTO TERZO::「あの幸せな時は、どこへ行ってしまったの?」
12.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「ケルビーノはまだ館の中にいます」
13.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「何ということ!」
14.第3幕 ATTO TERZO::第21曲 小二重唱:「そよ風の…」―「優しいそよ風が…」
15.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「手紙はたたんで」
16.第3幕 ATTO TERZO::第22曲 合唱:「このバラのお花をお受け取り下さい」
17.第3幕 ATTO TERZO::レチタティーヴォ:「奥様 ここにいるのは近所の娘たちです」
18.第3幕 ATTO TERZO::第23曲 フィナーレ:「行進曲です、行きましょう」
19.第4幕 ATTO QUARTO::第24曲 カヴァティーナ:「失くしちゃった、困ったわ」
20.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「バルバリーナ、何してる?」
21.第4幕 ATTO QUARTO::第25曲 アリア:「牡ヤギと牝ヤギはいつも仲良し」
22.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「誰だ?」
23.第4幕 ATTO QUARTO::第26曲 アリア:「私も若い頃は」
24.第4幕 ATTO QUARTO::第27曲 レチタティーヴォとアリア:「すべての用意は整った」
25.第4幕 ATTO QUARTO::「目を開け、無関心で愚かな男たちよ!」
26.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「奥様、震えておいでですか?」
27.第4幕 ATTO QUARTO::第28曲 レチタティーヴォとアリア:「やっと、その時が来たわ」
28.第4幕 ATTO QUARTO::「どうかすぐに来て、素晴らしい喜びよ」
29.第4幕 ATTO QUARTO::レチタティーヴォ:「ひどい奴だ!俺をだます気か?」
30.第4幕 ATTO QUARTO::第29曲 フィナーレ:「そっと近づいてみよう」
31.第4幕 ATTO QUARTO::「すべては静かで穏やかだ」
32.第4幕 ATTO QUARTO::「誰か来てくれ、武器を取れ!」
33.第4幕 ATTO QUARTO::クロージング・クレジット
カスタマーレビュー
おすすめ度:
デッカーもグートもどこかおかしい
(2008-09-07)
わたしはオペラ初心者です。最初にデッカーの椿姫を買ってしまって大後悔しました。長年期待していた本物のオペラという幻想を木っ端微塵に汚らしく壊してくれたからです。お金をネトレプコさんの口の中に突っ込んだりして、下品です。
さて、ネトレプコさんのDVDはその後
【The Woma The Voice(駄作)】
【愛の媚薬(良作)】
【ベルリン・コンサート(傑作)】
【ガラ・コンサート・セント・ペテルスブルグ(大傑作)】
【リュスランとリュドミラ(大傑作)】
と、少ないお小遣いをだんだん上向きのDVDに使えてうれしくなっていたところにこのDVDを買ってしまいました。もう、デッカーとか、グートとか、一体何をしたい人なのかが私には分からない。フィガロの結婚と言ったら喜劇でしょう?喜劇を初めて観にいったらドキュメンタリーを上演していた、というのがこのDVDです。
どこがいいのかしら?本気で楽しめる人がどれだけいるのかしら?初めてこの演目を観て、面白かったと言う人はなにが面白かったと言うのかしら。
もう、グートもデッカーも大嫌い!一方で傑作のDVDがもう売っていないなんて、まだまだタイトルだけで売れ行きが決まる、と言うことなのかしら。
人間ドラマの奥深さ…
(2008-02-12)
このDVDを観るに先だってCDで演奏だけをさんざん聴いていたこと、そして各種のメディアでその評をさんざん眼にしてきたこと、この2つの要因のおかげで、それほどの違和感を感じることなく鑑賞することができた。
むろん、そうでなければカナリの抵抗があったであろうことは事実だし、そうでないとしても「こんなものは『フィガロ』じゃない!」という声があるのは至極当然だと思う。少なくとも、「初めて眼にすべき」フィガロでは明らかにない(私は3年生の娘と一緒にオペラDVDを観るのを常としているが、サスガに見せられないシーンが多々あった;苦笑)。正統的でまっとうな(?)演出を期待して「ホノボノと楽しい時間を過ごそう」と意図すると、見事にカタスカシを喰らうであろう。
しかし前述の理由もあって、あらかじめ「覚悟」を決めてから観てみると、実に含蓄がある演出とも言える。むろん、どう見ても無理のある場面や明らかにオカシイ部分も多々あり、その意味ではもっともっと「磯野家の謎」を参考にして(笑)処理を練り込む余地があったのは明らかだが、感心する部分も多かった。そしてそれは、グートの演出そのものに感心した、というよりも「まったく同じ脚本(オペラだから、一字一句とて変更は許されないワケだ)であっても、ここまで雰囲気が変わるものか」という「人間ドラマ」の奥の深さに感心したのであり、それを音楽で体現したアーノンクールも、やっぱり大したものである。CDだけ聴いていると、とにかくその遅さとウィットのなさ、融通の利かなさに腹さえ立つが(笑)、しかし映像を観ると大いに納得するし、「フィガロ」をよくぞここまでシリアスな音楽に変え得たものだと感心する。そしてこれは、実際に私たちの人生劇場そのものに関しても、大いに教訓となることである。「私の人生を楽しく朗らかにするか、それともシリアスに重いものにするか」なんて、まったく同じ台詞で一日過ごしたとしても、大いに変わる可能性がある、ということに気づかされたのである。ならば、朗らかに楽しくした方がよいに決まっているし、同じ台詞を口にするにも、その意味すらまったく変えて発信・受信する可能性がある、という気づきである。これも人間ドラマの奥深さと言え、それに配慮せず生きているのとそうでないのとでは、1年も経てば大きな差が生じているだろう…という気づきである。
閑話休題。しかし映像作品としては、さすがにモーツァルト生誕250周年のザルツブルクで、しかも劇場新装のこけら落とし上演となるだけあって、(内容・解釈の是非は別にして)盤石の完成度、と言わざるを得ない。歌手のレベルも超一流、ネトレプコの美しいスザンナ、演技のリハーサルも完璧で、グートの演出意図を歌手が完全に体現できているのは見事。ただし、シェーファーのケルビーノとレッシュマンのコンテッサは、ビジュアル的に完全に×。こういう演出をするのなら、もっと違った人選ができたはずだ。
台本にはない黙役の天使ケルビン役のウリ・キルシュは大変な美男子で、同性の眼から見ても魅了される。これも解釈の是非を云々する前に、その麗しさに「すべて許す」のであり(笑)、ケルビーノとコンテッサもそういう人選をすべきだった。
男声陣は盤石。当代随一の伯爵であるスコウフスのノーブルな表現と苦悩に満ちた役作りは特に見事であった。60kgのキルシュを背負いながら歌う場面では、ついつい観ているこちらまで力が入り、「ガンバレ!」と応援してしまうほど(笑)。ダルカンジェロのフィガロも、アクは弱いが悪くない。本来完全な脇役であるバジリオを歌うヘンケンスは、その異常な目つきが見事で、4幕での普通なら退屈極まりないアリアも、キルシュの見事なパントマイムと相俟って、説得力溢れるものに仕上がっていた。
総括。ネトレプコの姿とボーナス・トラックのインタビューをまず愉しむ。そして次に「同じ台詞を口にしても、その意味はいかにも変わりうるものなんだ」という人生教訓として観る。それだけでも、このオネダンを支払う価値は十二分にあると、私は思うのだが…。
演出にもう少し幸福感があれば
(2007-08-10)
モーツァルト生誕250年のザルツブルグ音楽祭最大の話題作で、1年待たされてやっと手に入れたので、大いに期待していたのですが、序曲が始まると、アレアレえらく遅いなという感じで、シェーファーのケルビーノも目隠しして出てくるせいか、ちょっとこわごわ歌っている感じです。グートの演出も解説者のいうようにイプセンの現代劇のようですが、やりすぎという気もします。第2幕になると、なれてきたせいか、ケルビーノのアリアも美しく、音楽としては楽しめましたが、演劇としては最後まで違和感が残りました。モーツァルトのオペラを見終わった後のなんともいえない幸福感がないのです。たぶんモーツァルトの人間に対する暖かさがなくなってしまったせいかもわかりません。ただし特典映像で、ネトレプコがスザンナの第4幕のアリアをアーノンクールに「舟歌のように歌ってくれ」といわれたといって、ピアノ伴奏で歌いながら、グートが「目を開いて初めて光を受けたように初々しく」と演出をしている映像がありますが、ここは「なるほど」と納得できました。
暗いエロスの漂う新解釈
(2007-08-01)
ネトレプコのスザンナ、シェーファーのケルビーノ、アーノンクールにウィーンフィルという豪華版。演出のクラウス・グートは、イプセンやストリンドベルイ、ベルイマンの映画などに着想を得たと言う。エロスを志向するケルビーノを主人公とする精神分析的解釈だ。原作にない天使(ケルビーノの分身)が頻繁に登場し、パントマイムで人々をあやつり人形のように繰る。人は黒ずくめの服、カラスも頻繁に登場し、エロスよりはタナトスの物語だ。ケルビーノと伯爵夫人、スザンナと伯爵の大胆な性愛シーンもある。こうした解釈には疑問もあるが、新演出は色々と試みられてよい。大きな階段と踊り場だけからなる舞台はきわめて斬新だ。家具が一切ない。ケルビーノが隠れる椅子も伯爵夫人のベッドもない。何もない空間に晒された人間は床に座り込み、性愛は床に押し倒して行われる。シェーファーのケルビーノはまったく「宝塚的」なところがなく、『フィガロ』上演史を画するケルビーノ像だろう。付録のインタビューが楽しい。真夏のザルツブルクの青空の下、すっぴんのネトレプコが豊満な肢体を惜しげもなく晒して、にこやかに作品解説。
グートの演出に疑問?
(2007-07-29)
いったいオペラほど総合的な完成度が問われるものはないかも知れない。現代最高の歌手人、演奏者、隙のない舞台装置、何が不満があるのだろうかと思うが、グートの演出は、DVDという繰り返し鑑賞する音楽のフォーマットを意識しすぎたのか、古今最も完成度の高い総合芸術としてのモーツアルトの「フィガロの結婚」を、ほとんど台無しにしている。喜劇というまばゆい光に映し出される陰が一方の主人公であるにも関わらず、深刻な表情や苦しく悲しい表情で歌う主人公達を見て、グートの演出に魅力を感じるだろか。これがDVDではなくCDであるなら、評価は違ったかもしれないが、同じ新演出でも、デッカーの原作の本質をついた2005年のネトレプコ主演の「椿姫」とは、格段の差があるといわざる得ない。そしてケルビム、この天使が出ることで物語が理屈ぽく見える。また伯爵夫人のドロテアレシュマンにしても、ネトレプコにしても、そしてシェーファーにしても、残酷なことだが、それぞれの適役としての年月が過ぎ去ってしまったと思うのは私だけだろうか?
おすすめ度:
デッカーもグートもどこかおかしい
わたしはオペラ初心者です。最初にデッカーの椿姫を買ってしまって大後悔しました。長年期待していた本物のオペラという幻想を木っ端微塵に汚らしく壊してくれたからです。お金をネトレプコさんの口の中に突っ込んだりして、下品です。
さて、ネトレプコさんのDVDはその後
【The Woma The Voice(駄作)】
【愛の媚薬(良作)】
【ベルリン・コンサート(傑作)】
【ガラ・コンサート・セント・ペテルスブルグ(大傑作)】
【リュスランとリュドミラ(大傑作)】
と、少ないお小遣いをだんだん上向きのDVDに使えてうれしくなっていたところにこのDVDを買ってしまいました。もう、デッカーとか、グートとか、一体何をしたい人なのかが私には分からない。フィガロの結婚と言ったら喜劇でしょう?喜劇を初めて観にいったらドキュメンタリーを上演していた、というのがこのDVDです。
どこがいいのかしら?本気で楽しめる人がどれだけいるのかしら?初めてこの演目を観て、面白かったと言う人はなにが面白かったと言うのかしら。
もう、グートもデッカーも大嫌い!一方で傑作のDVDがもう売っていないなんて、まだまだタイトルだけで売れ行きが決まる、と言うことなのかしら。
人間ドラマの奥深さ…
このDVDを観るに先だってCDで演奏だけをさんざん聴いていたこと、そして各種のメディアでその評をさんざん眼にしてきたこと、この2つの要因のおかげで、それほどの違和感を感じることなく鑑賞することができた。
むろん、そうでなければカナリの抵抗があったであろうことは事実だし、そうでないとしても「こんなものは『フィガロ』じゃない!」という声があるのは至極当然だと思う。少なくとも、「初めて眼にすべき」フィガロでは明らかにない(私は3年生の娘と一緒にオペラDVDを観るのを常としているが、サスガに見せられないシーンが多々あった;苦笑)。正統的でまっとうな(?)演出を期待して「ホノボノと楽しい時間を過ごそう」と意図すると、見事にカタスカシを喰らうであろう。
しかし前述の理由もあって、あらかじめ「覚悟」を決めてから観てみると、実に含蓄がある演出とも言える。むろん、どう見ても無理のある場面や明らかにオカシイ部分も多々あり、その意味ではもっともっと「磯野家の謎」を参考にして(笑)処理を練り込む余地があったのは明らかだが、感心する部分も多かった。そしてそれは、グートの演出そのものに感心した、というよりも「まったく同じ脚本(オペラだから、一字一句とて変更は許されないワケだ)であっても、ここまで雰囲気が変わるものか」という「人間ドラマ」の奥の深さに感心したのであり、それを音楽で体現したアーノンクールも、やっぱり大したものである。CDだけ聴いていると、とにかくその遅さとウィットのなさ、融通の利かなさに腹さえ立つが(笑)、しかし映像を観ると大いに納得するし、「フィガロ」をよくぞここまでシリアスな音楽に変え得たものだと感心する。そしてこれは、実際に私たちの人生劇場そのものに関しても、大いに教訓となることである。「私の人生を楽しく朗らかにするか、それともシリアスに重いものにするか」なんて、まったく同じ台詞で一日過ごしたとしても、大いに変わる可能性がある、ということに気づかされたのである。ならば、朗らかに楽しくした方がよいに決まっているし、同じ台詞を口にするにも、その意味すらまったく変えて発信・受信する可能性がある、という気づきである。これも人間ドラマの奥深さと言え、それに配慮せず生きているのとそうでないのとでは、1年も経てば大きな差が生じているだろう…という気づきである。
閑話休題。しかし映像作品としては、さすがにモーツァルト生誕250周年のザルツブルクで、しかも劇場新装のこけら落とし上演となるだけあって、(内容・解釈の是非は別にして)盤石の完成度、と言わざるを得ない。歌手のレベルも超一流、ネトレプコの美しいスザンナ、演技のリハーサルも完璧で、グートの演出意図を歌手が完全に体現できているのは見事。ただし、シェーファーのケルビーノとレッシュマンのコンテッサは、ビジュアル的に完全に×。こういう演出をするのなら、もっと違った人選ができたはずだ。
台本にはない黙役の天使ケルビン役のウリ・キルシュは大変な美男子で、同性の眼から見ても魅了される。これも解釈の是非を云々する前に、その麗しさに「すべて許す」のであり(笑)、ケルビーノとコンテッサもそういう人選をすべきだった。
男声陣は盤石。当代随一の伯爵であるスコウフスのノーブルな表現と苦悩に満ちた役作りは特に見事であった。60kgのキルシュを背負いながら歌う場面では、ついつい観ているこちらまで力が入り、「ガンバレ!」と応援してしまうほど(笑)。ダルカンジェロのフィガロも、アクは弱いが悪くない。本来完全な脇役であるバジリオを歌うヘンケンスは、その異常な目つきが見事で、4幕での普通なら退屈極まりないアリアも、キルシュの見事なパントマイムと相俟って、説得力溢れるものに仕上がっていた。
総括。ネトレプコの姿とボーナス・トラックのインタビューをまず愉しむ。そして次に「同じ台詞を口にしても、その意味はいかにも変わりうるものなんだ」という人生教訓として観る。それだけでも、このオネダンを支払う価値は十二分にあると、私は思うのだが…。
演出にもう少し幸福感があれば
モーツァルト生誕250年のザルツブルグ音楽祭最大の話題作で、1年待たされてやっと手に入れたので、大いに期待していたのですが、序曲が始まると、アレアレえらく遅いなという感じで、シェーファーのケルビーノも目隠しして出てくるせいか、ちょっとこわごわ歌っている感じです。グートの演出も解説者のいうようにイプセンの現代劇のようですが、やりすぎという気もします。第2幕になると、なれてきたせいか、ケルビーノのアリアも美しく、音楽としては楽しめましたが、演劇としては最後まで違和感が残りました。モーツァルトのオペラを見終わった後のなんともいえない幸福感がないのです。たぶんモーツァルトの人間に対する暖かさがなくなってしまったせいかもわかりません。ただし特典映像で、ネトレプコがスザンナの第4幕のアリアをアーノンクールに「舟歌のように歌ってくれ」といわれたといって、ピアノ伴奏で歌いながら、グートが「目を開いて初めて光を受けたように初々しく」と演出をしている映像がありますが、ここは「なるほど」と納得できました。
暗いエロスの漂う新解釈
ネトレプコのスザンナ、シェーファーのケルビーノ、アーノンクールにウィーンフィルという豪華版。演出のクラウス・グートは、イプセンやストリンドベルイ、ベルイマンの映画などに着想を得たと言う。エロスを志向するケルビーノを主人公とする精神分析的解釈だ。原作にない天使(ケルビーノの分身)が頻繁に登場し、パントマイムで人々をあやつり人形のように繰る。人は黒ずくめの服、カラスも頻繁に登場し、エロスよりはタナトスの物語だ。ケルビーノと伯爵夫人、スザンナと伯爵の大胆な性愛シーンもある。こうした解釈には疑問もあるが、新演出は色々と試みられてよい。大きな階段と踊り場だけからなる舞台はきわめて斬新だ。家具が一切ない。ケルビーノが隠れる椅子も伯爵夫人のベッドもない。何もない空間に晒された人間は床に座り込み、性愛は床に押し倒して行われる。シェーファーのケルビーノはまったく「宝塚的」なところがなく、『フィガロ』上演史を画するケルビーノ像だろう。付録のインタビューが楽しい。真夏のザルツブルクの青空の下、すっぴんのネトレプコが豊満な肢体を惜しげもなく晒して、にこやかに作品解説。
グートの演出に疑問?
いったいオペラほど総合的な完成度が問われるものはないかも知れない。現代最高の歌手人、演奏者、隙のない舞台装置、何が不満があるのだろうかと思うが、グートの演出は、DVDという繰り返し鑑賞する音楽のフォーマットを意識しすぎたのか、古今最も完成度の高い総合芸術としてのモーツアルトの「フィガロの結婚」を、ほとんど台無しにしている。喜劇というまばゆい光に映し出される陰が一方の主人公であるにも関わらず、深刻な表情や苦しく悲しい表情で歌う主人公達を見て、グートの演出に魅力を感じるだろか。これがDVDではなくCDであるなら、評価は違ったかもしれないが、同じ新演出でも、デッカーの原作の本質をついた2005年のネトレプコ主演の「椿姫」とは、格段の差があるといわざる得ない。そしてケルビム、この天使が出ることで物語が理屈ぽく見える。また伯爵夫人のドロテアレシュマンにしても、ネトレプコにしても、そしてシェーファーにしても、残酷なことだが、それぞれの適役としての年月が過ぎ去ってしまったと思うのは私だけだろうか?
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