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ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)
ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)
Goethe(原著)
相良 守峯(翻訳)

岩波書店

グループ:Book /ランキング:13466
価格:¥ 693
発売日:1958-01 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
私は目もくらむほどの体験に身をゆだねたいのだ  (2007-03-20)
・元々ドイツに伝わるファウスト伝説をもとに書かれた作品。ファウストという名の錬金術師と占星家が実在したらしい。同一人物との説あり。この件は、本書の約40ページに及ぶ詳しい解説にも書かれている。
・ゲーテが若い頃から書き始めたライフワークで、最終的には人生経験豊富な老人ならではの視点も入った、練りに練られた傑作である。構成美の一方、人間の醜悪な部分の描写もある。さらに生命力溢れる民衆の楽しみに通じた点がにじみ出ており、作品の深さと広さを感じる。「隠し砦の三悪人」など、黒澤明のいくつかの映画を思い起こさせる。

(付記1)ロックバンドThe Policeの名曲“Wrapped Around Your Finger”の歌詞に、メフィストフェレスの名が出てくる。
(付記2)1938年に毒殺されたブルーズマンのRobert Johnsonには、ギターの上達のために悪魔に魂を売ったとの伝説がある。米国の黒人と共通するとは(キリスト教の影響があるにしても)、何か悪魔には人類共通の思い入れがあるのだろうか?

旧版 森 林太郎 (翻訳) はいずこへ  (2005-07-10)
ファウスト 第1部 (1) 岩波文庫 緑 6-1
ゲーテ (著), 森 林太郎 (翻訳) ISBN: 4003100611 ; 1 巻

だと思っていたら、翻訳が違うのですね。森 林太郎 というは あの文豪、鴎外です。がっかりしていたが、ちくま文庫の森鴎外全集に入っていました。
もし、旧版の岩波文庫で読みたかった人はこちらをお勧めします。
新潮その他、翻訳者は異なりますのでお好きな本を。個人的に、手塚治虫のファウスト(朝日文庫)も好きです。


さすがゲーテさすがファウスト  (2005-06-12)
やはりゲーテは言葉の美しさからしてなんかすごいですね。本当にその素晴らしさを語れといわれるとむずかしんだけど 感覚に訴えるっていうか言葉の美しさってこう言う感じなのかなと初めて思った作品ですね。想像してもきれいだし何よりセリフに臭さがないといったらいいか作品の雰囲気の中で自然と適切な言葉が出てきていると言うか・・・やっぱり説明すると難しいけど・・・

そして何よりもその発想力と構想力 (何かいまのSFにも十分通用するようなところありますよね) やっぱり悪魔と魂の契約をするという筋が何よりも魅力的(?) 手塚治虫がすきだったというのも納得。

あとできれば本によって訳のうまいへた、注釈とか、話の分かりやすさ結構違ったりしますので自分で少し見てみて選ぶのをお勧めします。


上演不可能の脚本に何故ゲーテが取り組んだのか  (2005-05-28)
それ自身が既に降霊術の呪文のような、深遠で謎めいた長い前口上。そして現れるのは老博士の書斎。脚本という形式を取る事で、私達はゲーテ自身のト書きを通し場面をヴィジュアルに思い浮かべる事ができる。魔法陣の中と外の駆け引き、メフィストフェーレスの自在な変身など、言葉にされると多分救いようもなく陳腐な表現になってしまうだろう。だから、この戯曲が上演可能か不可能かは本質的な問題ではない。動員しうる全ての想像力を刺激して訴えかけてくる、ヴァーチャルな総合芸術。文豪をして数十年の歳月を要した超大作に、あなたはどの様に打たれるか?また、シューベルトやリスト、マーラー、手塚治虫などの、この作品に触発された創作に手を伸ばしてみるのも面白い体験かも知れない。

永遠を見た悪魔  (2004-07-09)
心理学者で有名なユング博士が大のお気に入りだったゲーテの「ファウスト」であるが、一部にこの書物は、オカルティズムとも関連が深いと言われることがある。

しかしながら、それを読解できるのは非常に稀なことであり、殆どの人はそのような読み方をできないという評を、哲学・心理学・宗教学・オカルトなどの各書籍で見つけることができる。

さて、この書物はゲーテのライフワークであったことは確かであろう。
彼の青年の頃から書き初め、死の直前まで書き進められた、その最初と最期に深い意味がある。

よく言われることであるが、ファウストもメフィストフェレスも同様にゲーテの分身であるということである。

若き神学者であり哲学者のファウスト博士は、この冒頭で眼前に偉大な何かを見つつ、それと決別せねばならない。
「もう神も悪魔も恐くはないが、私には生きる楽しみが無くなってしまったのだ。」と言い、毒杯を仰ごうとする彼は、青春があまりにも早く過ぎ去ったと嘆くツァラトゥストラを彷彿させる。

実は彼はこの決別に絶望しつつも、悪魔と契約し没落することで生命の素晴らしさを再び探求する旅に、今出かけるところなのだ。
生命を謳歌し満喫する為に、彼は悪魔と同属とならざるを得ない。それもまた絶望である。

さらには彼は、若い娘に神について説教され、それを悪魔に揶揄される。

「神についての専門家が、逆に説教されてしまいましたね。」という言葉には、一体何が隠されているのだろうか。

この作品は、少なくとも二重の読み方ができる。
簡単にファンタジーを楽しむか、それとも永遠を見たゆえに悪魔と契約しなければならない神学者の姿を見るかである。

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