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後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)
後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)
内村 鑑三

岩波書店

グループ:Book /ランキング:47265
価格:¥ 525
発売日:1976-01 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
日本人一人一人は、そして日本と言う国はこれからいかに生きるべきか  (2008-07-25)
●後世への最大遺物

内村鑑三先生が、若者向けに 「何を後世に残すか? 金?事業?思想?」 を講演した講演録。
途中、恩師のクラーク先生(「少年を大志をいだけ」の)のくだりが出てきておもしろい。

ーーーーーーーーーーーーーー
クラーク先生を第一等の植物学者だと思っておりました。
<中略>
ある学者が、クラークが植物学について口を利くなどとは不思議だと笑っておりました。
<中略>
とにかく先生は非常な力を持っておった人でした。
どういう力かといいうと、すなわち植物学を青年の頭につぎ込んで植物学という学問のInterrestを起こす力を持った人でありました。
ーーーーーーーーーーーーーー

●デンマルク国の話
狭い国土をドイツとの戦争に敗れて、3割方失ってしまったデンマルク国、残されたものは荒れ果てた北海道の半分くらいの土地だけ、その国が何によって、世界に胸を張れる大国になったか?

一人の敗軍の兵士ダルガスが、
「外に失いしものを内において取りかえさん。我らの世代であの荒野をバラの花のさく豊かな土地にするのだ。」と叫び、祖国復活の掛けに出たのです。


ただよく生きることに大きな価値がある  (2006-08-22)
哲学者の天野貞祐が学生に勧める書として、内村鑑三「後世への最大遺
物」・アリストテレス「ニコマコス倫理学」・ヒルティ「幸福論」を挙げてい
る。

後世への最大遺物―勇ましい高尚なる生涯

難しいことではありません。各人が信じるように、よく生きるということ
です。本書は、それがなぜ最大遺物なのか、やさしく語れています。

倫理が疎かにされている時代です。なんでもありになっている社会です。
それを、次の世代のためにも変えていけるのは、私たち一人ひとりの生き
方ではないでしょうか?

人生をよく考えて見たい方にお勧めします。そして、本書の次に、「ニコ
マコス倫理学」を読むことをお勧めします。

未来への希望  (2006-05-16)
 どうやって生きていけばいいのだろう、何のために頑張ればいいのだろう、そういった疑問を優しい言葉で説いてくれる。金、事業、教育それらを残すのも遺物。しかし万人に行える「最大遺物」、それこそが我々のこれからの希望になることだろう。

悩ましい…  (2006-02-04)
生まれてきたからには、なんらかの足跡をこの世に残したい。
そんな風に考える人には必読の書でしょう。

誰もが後世に遺すことのできる「最大遺物」とは何か?
内村鑑三は、金でもなく、事業でもなく、思想でもなく、
「勇ましい高尚なる生涯」であると説く。それはまた、
「己の一生涯をめいめい持っておった主義のために送る」
ことであるという。

しかしその言葉は、私たちを強く勇気づけると同時に、
より一層悩ましい問いへといざないもする。

いったい如何なる「主義」を持てばよいのであろうか。

それこそが最大の問題である。



この世に何を残せるか  (2005-12-16)
 この本には、2つの講演が収められています。
 1つは「後世への最大遺物」。
 もう1つは「デンマルク国の話」。

 私は、この本のタイトルを見て、「この本は『デンマルク国が後世への最大遺産だ』ということを述べた本」だと勝手に思いこんでいましたが、上に書いたように、別個のものです。

 「後世への…」は、自分はこの世に何を残せるか、カネか、事業か、文学か、いやいや誰にでもできること、それは「高尚なる人生」という歩み方だ、そのことを、内村鑑三らしい話の進め方(Aはどうか? まあそれもいいけど、こういう理由でAはやっぱりダメ、ではBはどうか、同様にBもダメ、結局C、という進め方)で語っていきます。

 大体にして、「この世に何を残せるか」、この観点で生きるということ自体に、大きなインパクトがあると思いませんか?

 「高尚なる人生」、こう書くと、なんか偉人伝に出てきそうな人のように歩めよな、という話っぽく聞こえますが、そういうことではなく、日々淡々と、きちんと背筋正して歩んでゆく、その積み重ねが、結果的に「その人」の「高尚なる人生」で、それは誰に対しても無害有益、こういうことを諄々と説いてゆきます。その説き方がなかなかの「芸」なので、面白く読めます。

 「デンマルク国」。
 知らなかったのですが、デンマークは大国にこてんぱんにやられて肥えた領地を奪われ、荒れた土地しか残らず国民全員茫然自失、その時ひとりの元工兵現れ、荒れ地に木を植え、しかしうまくゆかず、手を変え品を変え、様々な試行錯誤を繰り返し、木は生長し青草生え、遂に緑地化に成功、農耕と牧畜盛んなる豊かな国へと変えられていった、そのような話です。
 この語りぶりが、また内村鑑三の「芸」で、とても面白く読めます。

 そして、この2つの講演を一冊の本に。
 実は一本の線によって、両者がしっかりと束ねていたのでした。
 デンマルク国の元工兵は、実に「高尚なる人生」を歩んでいたのです。
 つまり、「後世への…」が理論編、「デンマルク国」がその一実話編という訳で、非常に出来の良い本にまとまりました。

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