声の網 (角川文庫)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
氏の才能を痛感する作品
(2008-05-26)
あまり踏み込んでしまうとネタばれになってしまうので詳細は割愛しますが、SFということと、星新一氏の作品を読んだことがあるならば、だいたい予想のつく展開になっていきます。
正直、途中で「あ、このパターンか」と思ってしまいました。
ただ、読み終わってから驚いたのが、巻末の解説で恩田陸氏が書かれていた一文。
この作品のオリジナルが発表されたのは、1970年だったんです。37年前ですよ!?
その当時は、インターネットはおろか、モデムを使ったパソコン通信ですら一般には普及していなかった時代なのに、まさに未来を予測したような本編の内容。
需要予測を調べたり、電話回線(ネットワーク)を使ったショッピングをしたり。この辺はまだSF作家なら想像可能な範囲かもしれませんが、個人のプライバシー問題を取り上げていたり、まさにここ数年を予想したような内容が描かれているのには驚きです。
発表年を考えずにそのまま読んでしまうと、なにげに流してしまうほど自然に描かれているのがすごいですね。
正直、星氏の他の作品と比べるとそんなに秀逸とは思えない1作ですが、一度気づいてしまうと地味だからこそのすごさというものを感じさせられます。
ぜひ読んでみてください
(2007-12-20)
昔のものと比べると表紙の絵や挿絵がかなり変化していて現代風にアレンジされたように感じますが、中身の方はあまり変化は無いようです。
しかし、改めて読んでみても星新一さんの作品には驚かされます。難しい漢字や表現が出てこなくわかりやすい文章で、かつ長すぎず短すぎず、程よい長さで構成されています。なので比較的飽きることなく読み切れる作品が多いです。
『声の網』の内容について書くと展開が読めてしまい、つまらなくなるかもしれないので書くのは控えましたが、この作品の特徴として挙げるならば、「ショートストーリーの主人公が毎回変化して進んでいくが、最後の方で一つの大きなの話に纏まっていく。」ということでしょうか。
この作品はSFファンはもちろん、「昔の小説は表現が難しいから分かりにくくて…」という方にもお勧めできる本です。
ぜひ、読んでみては。
30年以上前の作品が復刊。
(2006-10-05)
絶版だったそうですが復刊されました。
新装版というコトで表紙と挿絵がかわったようです。
この絵がかわいくてすきです。
内容は、電話の機能がすごく発達した時代のお話。
電話にまつわる20ページ程度のお話が12個あります。
短編集のようで実はメロン・マンションという同じ場所で
起こっているさまざまな事件について書かれた物です。
1話はメロンマンション1階での1月の出来事。
2話はメロンマンション2階での2月の出来事。
といった感じで話がすすんでいきます。
それもまた変わっていておもしろい。
買ってよかったです。おもしろかった。
12人の人に対する短編集
(2006-03-16)
メロンマンションの住人達に掛かってくる不思議な電話を取り巻く、十二話の短編集。
強盗に入られた一階の店、噂話が大好きな二階の女性、昔の悪戯を言い当てられる三階の男性、etc…。
その電話の主は一体誰なのか?
それに翻弄されながらも、どうしようも出来ない人々が、悲しくもあり滑稽でもあります。
一通り読んでから、ふと気がついたのが、これが30年近く前に描かれたものだということ。
携帯電話とか、その頃はなかったでしょうに、よくかけたなと思います。
また、情報銀行とか、電話を通してのジュークボックスとか、電話による診療とか、あると便利だなと思います。
やはりSF作家は、発想が凄いですね。
これが、30年以上前の作品!? すごい!
(2006-02-13)
中学生の時だった、読んだのは。もちろん自分の電話なんてありはしない、黒電話の頃。誰かが、電話の向こうで、知らないところで自分の声も相手の声も聞いていて、何もかも知っている。世界中の人の声を聞いていて、何もかも知られている、本当は・・・。というその未来社会の設定に、非常に驚かされた事を覚えています。そして、機械が進化し、考え、試行錯誤し、人間に忍び寄ってくる姿に・・・。
まだ、当然ノートパソコンどころか、家にはラジカセも無く、オープンリールの時代。モバイルなんて事が想像も付かない日常生活の時代。機械化された未来の情報社会が持つ、コンピュータ社会の問題点、犯罪、落とし穴、情報操作の恐ろしさ、そういったものを既に「お見通し」だった眼力に、ただただ恐れ入ります。その、皮肉な視点と鮮やかな切り口に。
淡々としたショートショートSF第一人者の語り口は、冷静な描写で主観を入れずに、ネットワーク社会の様相を「声の網」と評して描いています。この秀逸な題名にも、今もうならせられる名作です。若いSFファンなら是非一読を、星新一を知る往年のファンなら再読をお勧めします。
おすすめ度:
氏の才能を痛感する作品
あまり踏み込んでしまうとネタばれになってしまうので詳細は割愛しますが、SFということと、星新一氏の作品を読んだことがあるならば、だいたい予想のつく展開になっていきます。
正直、途中で「あ、このパターンか」と思ってしまいました。
ただ、読み終わってから驚いたのが、巻末の解説で恩田陸氏が書かれていた一文。
この作品のオリジナルが発表されたのは、1970年だったんです。37年前ですよ!?
その当時は、インターネットはおろか、モデムを使ったパソコン通信ですら一般には普及していなかった時代なのに、まさに未来を予測したような本編の内容。
需要予測を調べたり、電話回線(ネットワーク)を使ったショッピングをしたり。この辺はまだSF作家なら想像可能な範囲かもしれませんが、個人のプライバシー問題を取り上げていたり、まさにここ数年を予想したような内容が描かれているのには驚きです。
発表年を考えずにそのまま読んでしまうと、なにげに流してしまうほど自然に描かれているのがすごいですね。
正直、星氏の他の作品と比べるとそんなに秀逸とは思えない1作ですが、一度気づいてしまうと地味だからこそのすごさというものを感じさせられます。
ぜひ読んでみてください
昔のものと比べると表紙の絵や挿絵がかなり変化していて現代風にアレンジされたように感じますが、中身の方はあまり変化は無いようです。
しかし、改めて読んでみても星新一さんの作品には驚かされます。難しい漢字や表現が出てこなくわかりやすい文章で、かつ長すぎず短すぎず、程よい長さで構成されています。なので比較的飽きることなく読み切れる作品が多いです。
『声の網』の内容について書くと展開が読めてしまい、つまらなくなるかもしれないので書くのは控えましたが、この作品の特徴として挙げるならば、「ショートストーリーの主人公が毎回変化して進んでいくが、最後の方で一つの大きなの話に纏まっていく。」ということでしょうか。
この作品はSFファンはもちろん、「昔の小説は表現が難しいから分かりにくくて…」という方にもお勧めできる本です。
ぜひ、読んでみては。
30年以上前の作品が復刊。
絶版だったそうですが復刊されました。
新装版というコトで表紙と挿絵がかわったようです。
この絵がかわいくてすきです。
内容は、電話の機能がすごく発達した時代のお話。
電話にまつわる20ページ程度のお話が12個あります。
短編集のようで実はメロン・マンションという同じ場所で
起こっているさまざまな事件について書かれた物です。
1話はメロンマンション1階での1月の出来事。
2話はメロンマンション2階での2月の出来事。
といった感じで話がすすんでいきます。
それもまた変わっていておもしろい。
買ってよかったです。おもしろかった。
12人の人に対する短編集
メロンマンションの住人達に掛かってくる不思議な電話を取り巻く、十二話の短編集。
強盗に入られた一階の店、噂話が大好きな二階の女性、昔の悪戯を言い当てられる三階の男性、etc…。
その電話の主は一体誰なのか?
それに翻弄されながらも、どうしようも出来ない人々が、悲しくもあり滑稽でもあります。
一通り読んでから、ふと気がついたのが、これが30年近く前に描かれたものだということ。
携帯電話とか、その頃はなかったでしょうに、よくかけたなと思います。
また、情報銀行とか、電話を通してのジュークボックスとか、電話による診療とか、あると便利だなと思います。
やはりSF作家は、発想が凄いですね。
これが、30年以上前の作品!? すごい!
中学生の時だった、読んだのは。もちろん自分の電話なんてありはしない、黒電話の頃。誰かが、電話の向こうで、知らないところで自分の声も相手の声も聞いていて、何もかも知っている。世界中の人の声を聞いていて、何もかも知られている、本当は・・・。というその未来社会の設定に、非常に驚かされた事を覚えています。そして、機械が進化し、考え、試行錯誤し、人間に忍び寄ってくる姿に・・・。
まだ、当然ノートパソコンどころか、家にはラジカセも無く、オープンリールの時代。モバイルなんて事が想像も付かない日常生活の時代。機械化された未来の情報社会が持つ、コンピュータ社会の問題点、犯罪、落とし穴、情報操作の恐ろしさ、そういったものを既に「お見通し」だった眼力に、ただただ恐れ入ります。その、皮肉な視点と鮮やかな切り口に。
淡々としたショートショートSF第一人者の語り口は、冷静な描写で主観を入れずに、ネットワーク社会の様相を「声の網」と評して描いています。この秀逸な題名にも、今もうならせられる名作です。若いSFファンなら是非一読を、星新一を知る往年のファンなら再読をお勧めします。
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