ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
カスタマーレビュー
おすすめ度:
儲けた張本人による警告
(2009-06-15)
独自の哲学「再帰性」と「スーパーバブルへの警告」を中心にまとめられ、後半では投資判断をドキュメンタリータッチで描いてみせる。
再帰性は、最後は正しい方向へ均衡してゆくという従来の経済学者の見方を否定し、
人の合理性が物事を正しく見ると同時に、物事を好きなように操作する身勝手な性質である点を突く。
スーパーバブルの崩壊についても、再帰性に絡めて実に合理的に持論を展開する。
再帰性、金融システムの構造的欠陥、資本主義の崩壊を堂々と、そして見事に看破する。
しかし、この本を読む我々は、ソロス自身がサブプライム・ローンの崩壊から莫大な利益を得た、ヘッジファンドの王様であることを忘れてはならない。
冷徹で頭がずば抜けて良い火事場泥棒が、火事場と泥棒行為について論理的かつ冷静に論評している様な著作である。
この様な本を書ける人間はそう多くはない。
ソロスはこれからもまだまだ儲けるつもりでいる。読んでおいて損はないだろう。
特に後半は読みごたえある一冊
(2009-05-27)
オリジナルは2008年リリース。邦訳は2008年9月1日リリース。正にサブ・プライム問題で100年に1度と言われる暴落の中リリースされた。ソロスがこの現象をどう捉えてきたかを知ることができる貴重な一冊である。
ソロスは持論の『再帰性』を証明するのに最適な事例として今回の暴落を語る。前半はその理論をとつとつと解説していて、さながらそれは従来の経済理論の粋を集めたが市場から退場を余儀なくされたLTCMのノーベル経済学賞の面々に対抗するかのようですらある。つまり、ソロスはこの『再帰性』理論でノーベル経済学賞を取りたいと思っているかのように感じられる。
まるで何幕かの劇のように今起こっている現象を見事に分析する様に驚く。ジム・ロジャーズの行動力とジョージ・ソロスの哲学性。二人が結びついたかつての『クォンタム・ファンド』が驚異的な実績をあげたのも頷ける。特に後半は読みごたえある一冊だ。
苦労したが何とか読み終わった しっかり理解して、次の機会に役立てよう
(2009-05-24)
いやー、難しかった
特に前半
自分が不勉強な為とはいえ苦労した
(こんな文章を訳せる訳者って、本当に頭が良いんだろうなあ)
へこたれず読み続けると、後半徐々にテンポがアップしていく
そして世界が何故今のような状況になってしまったのかを、我々は著者から教わる
今回の失敗の原因を知る事で、我々は同じ失敗を繰り返さない様にする事が出来るし、又、世界が(または世界の何処かが)同じ失敗を繰り返そうと進み始めたら、それを今度は上手く利用する事もできる
この本を読み、今まで語られていた理論の問題点を理解し、何故、このような状況になったのかを知る事が、今回の失敗から得たせめてもの教訓となってくれるのではないだろうか?
有言実行で11億ドルの利益
(2009-05-14)
この本を書いた後、ソロスは息子に任せていたヘッジファンドの運用に戻り、大規模な空売りを実行、2008年の収益は11億ドルとなったそうです。意見を述べるだけでなく、自身で実行してそして成功を収めたことが素晴らしいです。
多くのヘッジファンドや投資銀行が窮地に陥っているときに、やっぱりこの人はすごいです。
ちなみに2008年の上位5位まではこの人たち
1位 ジェームズ・サイモンズ 25億ドル
2位 ジョン・ポールソン 20億ドル
3位 ジョン・アーノルド 15億ドル
4位 ジョージ・ソロス 11億ドル
5位 レイモンド・ダリオ 7億8千万ドル
すごいです。
学者になりたかった著名投資家が語る”再帰性”
(2009-05-05)
ヘッジファンドで大儲けし、現在は「慈善家」としても知られるソロスは、いったんは引退したものの今回の金融危機をみて急きょ復帰、今でも基金のポジションを一部持っている。彼は「哲学者になりたかった」そうで、今回の本は経済・投資本を装っているけれど、その実彼が長年主張してきた(そしてあまり受け入れられなかった)
「再帰性」
について自らの経験を交えつつ詳しく説明した内容になっている。
つまり、「再帰性」理論だけでは売れそうもないので、過去の経験と自分の現在のマーケットに対するポジションをおまけにつけ、売りやすいように1冊の本に仕立て上げたという感じ。
彼は社会科学全般に通用する一般理論としてこの「再帰性」を扱っているのだけど、以下は金融マーケットについての適用部分のみ抜粋。
ソロスは経済学でいう均衡理論、合理的期待理論(市場は放っておけばありうべき均衡点に向かう)を「全くもって誤っている」と断言し、逆に(どの参加者でも不完全情報しか手に入れられないがゆえに)「常に市場は誤っている」と喝破している。
この不完全情報のもとで市場の参加者が下す意思決定がマーケットのファンダメンタルズに影響し、それが結果としてマーケットに反映、このフィードバックループが亢進し、(ありうべきと当初思われていた)均衡点から大幅に乖離することがひんぱんに発生することを過去の自分の経験から例証している。
60年代のコングロマリットブーム、REITバブル、そして80年代の途上国債務危機の連鎖など。このあたりはさすがに彼自身が潜り抜けてきた修羅場でもあり、その見解には説得力がある。
そして、現在はサブプライムに端を発したバブルと、さらに大きな「超バブル」が同時に崩壊していると警告する。
「超バブル」とは
1. 担保価値に対する融資率の極大化
2. 金融市場のグローバル化
3. 金融規制の撤廃と金融技術の加速度的な発達
によってもたらされ、「市場原理主義」のもと規制当局がこれを見過ごしてきたためにここまで大きくなったとしている。
この本を今まさに金融危機のタイミングで読み、非常に納得感があった。なお、ソロスは今後の見通しについては「再帰性」の定義から「どうなるかわからない」と率直に述べている。そういった意味では、この本を読んでも「今後どこに投資すればいいか」という回答が得られるわけではない。しかし、
「金融市場に新しいパラダイムが出現しつつある(原題は: The New Paradigm for Financial Market)」
ことについては、十分理解できると思う。
おすすめ度:
儲けた張本人による警告
独自の哲学「再帰性」と「スーパーバブルへの警告」を中心にまとめられ、後半では投資判断をドキュメンタリータッチで描いてみせる。
再帰性は、最後は正しい方向へ均衡してゆくという従来の経済学者の見方を否定し、
人の合理性が物事を正しく見ると同時に、物事を好きなように操作する身勝手な性質である点を突く。
スーパーバブルの崩壊についても、再帰性に絡めて実に合理的に持論を展開する。
再帰性、金融システムの構造的欠陥、資本主義の崩壊を堂々と、そして見事に看破する。
しかし、この本を読む我々は、ソロス自身がサブプライム・ローンの崩壊から莫大な利益を得た、ヘッジファンドの王様であることを忘れてはならない。
冷徹で頭がずば抜けて良い火事場泥棒が、火事場と泥棒行為について論理的かつ冷静に論評している様な著作である。
この様な本を書ける人間はそう多くはない。
ソロスはこれからもまだまだ儲けるつもりでいる。読んでおいて損はないだろう。
特に後半は読みごたえある一冊
オリジナルは2008年リリース。邦訳は2008年9月1日リリース。正にサブ・プライム問題で100年に1度と言われる暴落の中リリースされた。ソロスがこの現象をどう捉えてきたかを知ることができる貴重な一冊である。
ソロスは持論の『再帰性』を証明するのに最適な事例として今回の暴落を語る。前半はその理論をとつとつと解説していて、さながらそれは従来の経済理論の粋を集めたが市場から退場を余儀なくされたLTCMのノーベル経済学賞の面々に対抗するかのようですらある。つまり、ソロスはこの『再帰性』理論でノーベル経済学賞を取りたいと思っているかのように感じられる。
まるで何幕かの劇のように今起こっている現象を見事に分析する様に驚く。ジム・ロジャーズの行動力とジョージ・ソロスの哲学性。二人が結びついたかつての『クォンタム・ファンド』が驚異的な実績をあげたのも頷ける。特に後半は読みごたえある一冊だ。
苦労したが何とか読み終わった しっかり理解して、次の機会に役立てよう
いやー、難しかった
特に前半
自分が不勉強な為とはいえ苦労した
(こんな文章を訳せる訳者って、本当に頭が良いんだろうなあ)
へこたれず読み続けると、後半徐々にテンポがアップしていく
そして世界が何故今のような状況になってしまったのかを、我々は著者から教わる
今回の失敗の原因を知る事で、我々は同じ失敗を繰り返さない様にする事が出来るし、又、世界が(または世界の何処かが)同じ失敗を繰り返そうと進み始めたら、それを今度は上手く利用する事もできる
この本を読み、今まで語られていた理論の問題点を理解し、何故、このような状況になったのかを知る事が、今回の失敗から得たせめてもの教訓となってくれるのではないだろうか?
有言実行で11億ドルの利益
この本を書いた後、ソロスは息子に任せていたヘッジファンドの運用に戻り、大規模な空売りを実行、2008年の収益は11億ドルとなったそうです。意見を述べるだけでなく、自身で実行してそして成功を収めたことが素晴らしいです。
多くのヘッジファンドや投資銀行が窮地に陥っているときに、やっぱりこの人はすごいです。
ちなみに2008年の上位5位まではこの人たち
1位 ジェームズ・サイモンズ 25億ドル
2位 ジョン・ポールソン 20億ドル
3位 ジョン・アーノルド 15億ドル
4位 ジョージ・ソロス 11億ドル
5位 レイモンド・ダリオ 7億8千万ドル
すごいです。
学者になりたかった著名投資家が語る”再帰性”
ヘッジファンドで大儲けし、現在は「慈善家」としても知られるソロスは、いったんは引退したものの今回の金融危機をみて急きょ復帰、今でも基金のポジションを一部持っている。彼は「哲学者になりたかった」そうで、今回の本は経済・投資本を装っているけれど、その実彼が長年主張してきた(そしてあまり受け入れられなかった)
「再帰性」
について自らの経験を交えつつ詳しく説明した内容になっている。
つまり、「再帰性」理論だけでは売れそうもないので、過去の経験と自分の現在のマーケットに対するポジションをおまけにつけ、売りやすいように1冊の本に仕立て上げたという感じ。
彼は社会科学全般に通用する一般理論としてこの「再帰性」を扱っているのだけど、以下は金融マーケットについての適用部分のみ抜粋。
ソロスは経済学でいう均衡理論、合理的期待理論(市場は放っておけばありうべき均衡点に向かう)を「全くもって誤っている」と断言し、逆に(どの参加者でも不完全情報しか手に入れられないがゆえに)「常に市場は誤っている」と喝破している。
この不完全情報のもとで市場の参加者が下す意思決定がマーケットのファンダメンタルズに影響し、それが結果としてマーケットに反映、このフィードバックループが亢進し、(ありうべきと当初思われていた)均衡点から大幅に乖離することがひんぱんに発生することを過去の自分の経験から例証している。
60年代のコングロマリットブーム、REITバブル、そして80年代の途上国債務危機の連鎖など。このあたりはさすがに彼自身が潜り抜けてきた修羅場でもあり、その見解には説得力がある。
そして、現在はサブプライムに端を発したバブルと、さらに大きな「超バブル」が同時に崩壊していると警告する。
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1. 担保価値に対する融資率の極大化
2. 金融市場のグローバル化
3. 金融規制の撤廃と金融技術の加速度的な発達
によってもたらされ、「市場原理主義」のもと規制当局がこれを見過ごしてきたためにここまで大きくなったとしている。
この本を今まさに金融危機のタイミングで読み、非常に納得感があった。なお、ソロスは今後の見通しについては「再帰性」の定義から「どうなるかわからない」と率直に述べている。そういった意味では、この本を読んでも「今後どこに投資すればいいか」という回答が得られるわけではない。しかし、
「金融市場に新しいパラダイムが出現しつつある(原題は: The New Paradigm for Financial Market)」
ことについては、十分理解できると思う。
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