火車 (新潮文庫)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
ラストは一緒に緊張
(2008-11-23)
喬子は、自分の不幸な人生から自分を助け出し、自分を守ってくれる人を探し続ける旅をしているようだった。
喬子は罪を犯した人間だが、その先に大きな社会問題がおきる事も予想せず、ただ豊か・便利になってしまった社会の犠牲者だろう。
実際にカードによる自己破産は圧倒的に多い。
物語は残り数ページのところで自分自身も、本間や保と同じように興奮と緊張が高まってるような気分だった。また、ようやく喬子を見つけたという達成感というか・・・やっと終結をむかえることができたという安堵感があった。
宮部みゆきを代表する作品としてふさわしい作品だろう。
残念
(2008-11-19)
時代の流れにそのまま流されていく作品のように感じました。
現代の個人情報に関する問題や、連日報道される事件に比べれば
この作品に描かれた状況、人物ともに子供だましのようにしか思えません。
物語の運び方についても、シリアスな雰囲気や、無駄に思えるほど執拗な状況描写とは裏腹に
どこかご都合主義の展開があり、のめりこめる様な物ではありませんでした。
これを読まずして何を読む!
(2008-10-28)
私は運が良かったのか悪かったのか、宮部作品のとっつきがこの「火車」でした。
面白かった。
人物の綿密な掘下げや筋立てのどれを取っても申し分なかった、感服したのを昨日のように思い出します。
「すごい作家が現れた!」と興奮して、もう一度この感動に巡り会いたいとの一心で片っ端から読み漁りました。
でもこれ以上の作品には出会えませんでした。
当然と言えば当然です。それまでの読書歴でこんなに興奮した作品は他になかったですもの。
ロックバンド「シカゴ」の「ホテル カリフォルニア」みたいです。
他の作品も佳作ぞろいなのに、「火車と比べると…」とこれからも言われ続けるのでしょう。
これほど完成された作品にこの先出会えるとは想像出来ません。
絶対読むべき作品です。これを読まずして何を読む!
・・・。
(2008-09-21)
作品的には、非常にありきたりではない推理小説のプロットだと思います。
推理小説としてどうかという感想より、
やはり物語自体の心理については・・・。
人の命までを奪って、自分の過去を消し去り新しい人生を手に入れるという
心理については、人それぞれの共感があるのでしょう。
人それぞれの人生感は、一個人では計り知れないものがありますね。
計り知れない感情や心理が犯罪や犯行を生み出す世界が
フィクションであり、現実と表裏一体の中で、作品に出会い考えさせられるのでしょう。
終盤になってヒロインと決別…。
(2008-09-06)
本作は宮部みゆきの社会派ミステリーの傑作です。
勤務中に負傷して休職を余儀なくさせられた本間刑事は、
遠縁の若い男に相談を持ちかけられ、請け合った。
その相談とは、ひょんなことから失踪した婚約者を探し出してほしいというものである。
しかし、簡単な調査で見つけ出せるだろうと高をくくっていた本間の前に姿を現したのは、
失踪した女性の完璧なまでの偽装工作と、
その女性を陥れたと同時に隠れ蓑を提供する、現代日本の都会の深い闇だった…。
本作が素晴らしいのは、まず、多重債務という社会問題につき読者を啓蒙していること、
次に、多重債務と関連して、現代社会で存続の危機にさらされる、
家族の絆について問題提起をしていること、
さらに、本間を取り囲む温かい登場人物たちです。
ただし、近年破産法は大幅に改正され、消費者金融への政策も転換しつつあり、
本作で語られる情報の古さは否めません。
もっとも、たとえ法制度や目先の数字は変動しても、本質は不変であるともいえますが…。
このように、本作は読むに値する素晴らしい小説ですが、
久しぶりに読み返してみて、
本間の子供の言動をきっかけに物語が展開する部分に若干無理を感じたのと、
物語の終盤に至って、それまで読み進めるエネルギーを提供してくれていた、
失踪女性に対する共感が、個人的に裏切られた思いがしたため、
僭越ながら1点減点させていただきました。
本間は「状況証拠」しかないと断っていますが、やはり一線は越えてほしくなかった…。
おすすめ度:
ラストは一緒に緊張
喬子は、自分の不幸な人生から自分を助け出し、自分を守ってくれる人を探し続ける旅をしているようだった。
喬子は罪を犯した人間だが、その先に大きな社会問題がおきる事も予想せず、ただ豊か・便利になってしまった社会の犠牲者だろう。
実際にカードによる自己破産は圧倒的に多い。
物語は残り数ページのところで自分自身も、本間や保と同じように興奮と緊張が高まってるような気分だった。また、ようやく喬子を見つけたという達成感というか・・・やっと終結をむかえることができたという安堵感があった。
宮部みゆきを代表する作品としてふさわしい作品だろう。
残念
時代の流れにそのまま流されていく作品のように感じました。
現代の個人情報に関する問題や、連日報道される事件に比べれば
この作品に描かれた状況、人物ともに子供だましのようにしか思えません。
物語の運び方についても、シリアスな雰囲気や、無駄に思えるほど執拗な状況描写とは裏腹に
どこかご都合主義の展開があり、のめりこめる様な物ではありませんでした。
これを読まずして何を読む!
私は運が良かったのか悪かったのか、宮部作品のとっつきがこの「火車」でした。
面白かった。
人物の綿密な掘下げや筋立てのどれを取っても申し分なかった、感服したのを昨日のように思い出します。
「すごい作家が現れた!」と興奮して、もう一度この感動に巡り会いたいとの一心で片っ端から読み漁りました。
でもこれ以上の作品には出会えませんでした。
当然と言えば当然です。それまでの読書歴でこんなに興奮した作品は他になかったですもの。
ロックバンド「シカゴ」の「ホテル カリフォルニア」みたいです。
他の作品も佳作ぞろいなのに、「火車と比べると…」とこれからも言われ続けるのでしょう。
これほど完成された作品にこの先出会えるとは想像出来ません。
絶対読むべき作品です。これを読まずして何を読む!
・・・。
作品的には、非常にありきたりではない推理小説のプロットだと思います。
推理小説としてどうかという感想より、
やはり物語自体の心理については・・・。
人の命までを奪って、自分の過去を消し去り新しい人生を手に入れるという
心理については、人それぞれの共感があるのでしょう。
人それぞれの人生感は、一個人では計り知れないものがありますね。
計り知れない感情や心理が犯罪や犯行を生み出す世界が
フィクションであり、現実と表裏一体の中で、作品に出会い考えさせられるのでしょう。
終盤になってヒロインと決別…。
本作は宮部みゆきの社会派ミステリーの傑作です。
勤務中に負傷して休職を余儀なくさせられた本間刑事は、
遠縁の若い男に相談を持ちかけられ、請け合った。
その相談とは、ひょんなことから失踪した婚約者を探し出してほしいというものである。
しかし、簡単な調査で見つけ出せるだろうと高をくくっていた本間の前に姿を現したのは、
失踪した女性の完璧なまでの偽装工作と、
その女性を陥れたと同時に隠れ蓑を提供する、現代日本の都会の深い闇だった…。
本作が素晴らしいのは、まず、多重債務という社会問題につき読者を啓蒙していること、
次に、多重債務と関連して、現代社会で存続の危機にさらされる、
家族の絆について問題提起をしていること、
さらに、本間を取り囲む温かい登場人物たちです。
ただし、近年破産法は大幅に改正され、消費者金融への政策も転換しつつあり、
本作で語られる情報の古さは否めません。
もっとも、たとえ法制度や目先の数字は変動しても、本質は不変であるともいえますが…。
このように、本作は読むに値する素晴らしい小説ですが、
久しぶりに読み返してみて、
本間の子供の言動をきっかけに物語が展開する部分に若干無理を感じたのと、
物語の終盤に至って、それまで読み進めるエネルギーを提供してくれていた、
失踪女性に対する共感が、個人的に裏切られた思いがしたため、
僭越ながら1点減点させていただきました。
本間は「状況証拠」しかないと断っていますが、やはり一線は越えてほしくなかった…。
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