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危うし!小学校英語 (文春新書)

危うし!小学校英語 (文春新書)
危うし!小学校英語 (文春新書)
鳥飼 玖美子

文藝春秋

グループ:Book /ランキング:77841
価格:¥ 767
発売日:2006-06 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
英語は簡単ではない  (2008-07-09)
学校英語では英語が話せるようにはならないという人が多いらしい。
最近学習塾でバイトをするようになって一層そう感じるのだが、
英語に限らず大半の人にとって学習とはテストのためにするもので
テストが終われば忘れてよいものである。そして実際忘れる。
そのような学習で今日まで乗り切って来た人には、
決して学校英語を批判してほしくないのである。

著者が批判する英語に関する俗論はほとんど英語産業の
作り上げたものではないかとも思うのだが、
その業界最大手(?)が倒れた今、すこし冷静になって
こういった本で自分がどのように英語を学ぶのか
あるいは自分の子どもにどのように学ばせるのか
熟考すべきではないだろうか。
英語の習得は、英語産業が囁くほど簡単ではないし、
きっと「話せる」人はそのことをご存じなのだろうと
「話せない」側の人間として思うのである。

「英語が仕事」の人の限界か  (2008-03-11)
鳥飼玖美子さんと言えば、アポロの時に同時通訳でかっこいいなあと思っていたし、最近も教育テレビでセンスの良い英語番組をしておられたので、買ってみた。それに、小学校から英語教育をするのに対して私も批判的だしね。でも、期待通りに快刀乱麻とはいっていなようだ。

全体として雑然とした印象を受けた。小学校から教えることに対する批判、現在行われている会話中心教育に対する批判、ALT 制度の不備に対する批判、などなどが、並列に並んでいて、メリハリがない。で、どうするかと言う話も英語教育理論をなぞっている感じで迫力ない。最後の中学で15人学級にして英語週3時間を6時間にするという提案は、夢みたいなこと言っても仕方ないですよ。他の教科だってあるんだし。それに、文法が大切だと力説する衣の影から、現在の英語教育擁護の鎧がちらちら見える。私だって、学生さんと英語の本の輪読をやって、文法が大切なのは身にしみてるけど、過去の文法教育が成功していたとはやっぱり思わない。

その辺は『日本の英語教育』の山田雄一郎氏と同じように、英語を仕事にしている人の限界ではないかという気がする。大衆に迎合した会話中心教育も問題だけど、過去に行われてきた「翻訳主義」「文法主義」的な教育に戻るわけにはいかないのよ。

安直な子供英語の導入への危険性を示す。  (2008-02-19)
英語教育、通訳に長くかかわっていらっしゃる鳥飼さんの、検討提案書。
今の英語教育は、たんに喋れるだけの安直英語に流されて、小学校から入試まで骨抜きにされようとしている。
立派な英語、本格的な英語、文法的にもより正確な英語ができてこそ、コミュニケーションを通じた交流や取引、商売も成り立つもの。
文学、演説、論文などが読めて、さらに口語ができるようなら、発音に国訛りがあったって通じる。
きれいな発音だけ(俗にいうぺらぺら喋れる)、あるていど聞ける、では日本の本質的な国民の英語力にはならないものと、警鐘を鳴らす。
本格的に英語を使える学生、生徒、社会人を育てようと努力されてきたからこそ、述べられる内容。
近道ではなく、王道を歩んでこそ真の英語力、語学力が持てるとの、正論を示しています。
鳥飼さんの、わかりやすくていねいな論調でかかれていますが、危機感は本物。
読んで、また広く聞いて、自分の意見をもって検討しようとの、憂国の書。

これは全ての英語科教員と親必読の書でしょ!  (2008-01-27)
まず、この本を読み終えて、私が一番最初に思ったことは、

「何でこの本は『危うし!小学校英語』ってタイトルなんだ??『危うし!日本の英語教育』が適切でしょ?小学校というタイトルでこの本を手にしなかった人が何人もいるかと思うと、あまりにも惜しい!!」

ということでした。

本書には、日本における英語教育の諸問題、例えば、「臨界期」説の正当性、ALTを信じて良いのか、会話能力に文法は必要ないのか、「異文化理解」とはどのようなものか、「使える英語」とは何か、といった大きな問題に非常に興味深い論点がいくつも提示されています。

巻末に参考文献がいくつも提示されている点もまだまだ勉強不足の学生にとっては非常にありがたいです。

異論・反論があるならたたき台にするもよし、日本の英語教育に物申したいという人はまず本書を読むべきだと思います。

私は英語教員を目指す、一大学生でありながら、小学校の英語教育に関しては「小学校のうちに英語に触れておいた方がいいっていうしなぁ…」ぐらいの論点しか持ち合わせていない状態で本書を手に取りました。しかし、私のその考えは見事に第一章「『早ければ早いほど』幻想を打ち砕く!」で打ち砕かれてしまいました。あとは目からウロコと感心したり、日本の英語教育はこれほど問題を抱えているのかと絶望したり…

もう一度言います。英語教育に関る全ての人(子供に英語を学ばせたいという親も含む)、小学校という言葉にだまされないでこの本を手にとって下さい!!

早けりゃいいのか?!  (2007-11-04)
論旨は,題名をほぐせば出てくる。すなわち,“小学校英語教育推進論は胡散臭い”。まず,主体としての小学生には国語と算数のほうが重要だろうし(いやいや同級生たちと走り回って遊ぶことのほうが重要だよ),手段としての小学校教員で英語力が信頼に足るものは圧倒的に少ないだろうし(間違っていたらデータを以てご反論ください。本書第3章),小学校で英語学習に投じられる学習時間も英米に比べられるような数字でないことは明確だし,シンガポールやカナダに比べても貧弱この上なかろう。


小学英語教育を受ける主体にとって英語学習の適正時期としての「臨界説」も胡散臭いし,手段としての英会話学校的キッズ・イングリッシュっていうのも僕はどうかと思うし(ありゃお母さんたちの英語に対するエピゴーネンだよ。本書第2章),「イングリッシュ・シャワー」ってのも鳥飼の言う通り(22-4頁)。そもそも,JASTEC(日本児童英語教育学会)が行った追跡調査だと,小学校英語の成果は中高を通して本書刊行時点までは(もしくは鳥飼が見る範囲では)「小学校での英語教育の成果は『この程度だったのか』と思われるかもしれない」(樋口忠彦(JASTEC会長),12頁)程度のもので,逆に,斎藤兆史『英語達人列伝』なんかには,小学校で英語を習っていなくても,超弩級の英語の使い手になった人たちがいることが実証されている。


鳥飼は“同時通訳の女神”(命名はBCKTさん)である以上,小学校英語教育が立ち消え,恐るべき後進の養成がうまくいかなければ,死ぬまでは自分の身分が安泰だ的な不信を抱かれているかもしれないが,彼女は,大学英語教育学会に在籍し,東洋英和短大や立教大学でそれを実践している(その成果の一つが『大学英語教育の改革―東洋英和女学院大学の試み』)。(1598字)

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