団鬼六論 (平凡社新書)
レビュー(Amazon.co.jp)
???ファン垂涎の鬼六本の誕生である。SM文学を日本の一文化にまで育てあげた功労者、団鬼六を敬愛してやまない女性文学者による、作品論と作家論である。団鬼六の生い立ちや環境、文学との出会い、そしてその豊穣にして独特の官能美とおかしみをたたえた作品世界を、関西文化や耽美主義、サディズムなどをキーワードに読み解いていく。
???ファン垂涎の鬼六本の誕生である。SM文学を日本の一文化にまで育てあげた功労者、団鬼六を敬愛してやまない女性文学者による、作品論と作家論である。団鬼六の生い立ちや環境、文学との出会い、そしてその豊穣にして独特の官能美とおかしみをたたえた作品世界を、関西文化や耽美主義、サディズムなどをキーワードに読み解いていく。
???著者は大阪府立大学教授で、日本文学・フランス文学が専門。『薔薇のサディズム―ワイルドと三島由紀夫』『猫の比較文学―猫と女とマゾヒスト』などの著書をもつ。鬼六と同様、関西で生まれ育ち、鬼六の母校と関わりの深い神戸女学院に小学校から大学まで学んだ縁もあり、作品の真髄と魅力を的確に伝える名手として、鬼六自身から絶大な信頼を寄せられている人物でもある。
???マニア向けのサブカルチャー的存在からSM文学の「巨匠」として名を遂げ、多くの熱烈な信奉者をもつ異能の作家に、著者は学術的なアプローチで果敢に斬り込んでいく。ことに関西人であることの強烈な自負と、コンプレックスによる屈折した欲求がもたらす創作意欲など、作家の心象風景を鮮やかにすくい上げて興味深い。また清純な美女と卑劣な悪漢の組み合わせや、饗宴とでもいうような男女の官能シーンがもつ劇場性など、鬼六作品の魅力に迫っていく。本書は著者の団鬼六への「長い長いラブレター」であり、日本の(とりわけ昭和の)貴重な文化・風俗史でもある。(田島 薫)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
団鬼六の世界をテンポで書いてしまったがゆえにあっさりした代物に
(2006-06-07)
耽美的嗜虐趣味を満喫出来る市民権を得たSM作家団鬼六。
その団鬼六について落語を連想させる文章と、勢いのあるテンポで書ききった。
ゆえに・・・団鬼六の世界があっさりしすぎてしまった。
執拗さが魅力の団鬼六ゆえもう少しネチネチ論じても良かった。
親しみを感じる鬼六論
(2004-02-25)
著者が女性ということで期待しないで読んでみたが、団鬼六に親しみを覚えるほどのいい書きっぷりだ。鬼六作品で登場する、清楚な美女を苛む大阪弁の男たちにも焦点を合わせながら、鬼六の独自の世界、他のSM作家に先んじて追随を許さないものを見せてくれる。たしかに鬼六作品は単純な嗜虐趣味の裏に、ヒロインの美をこれでもかこれでもかと高めていく仕掛けがある。これが読者の期待と興奮を高めていく鬼六の戦術なのだろうが、この点も本書はしっかりと押さえている。
おすすめ度:
団鬼六の世界をテンポで書いてしまったがゆえにあっさりした代物に
耽美的嗜虐趣味を満喫出来る市民権を得たSM作家団鬼六。
その団鬼六について落語を連想させる文章と、勢いのあるテンポで書ききった。
ゆえに・・・団鬼六の世界があっさりしすぎてしまった。
執拗さが魅力の団鬼六ゆえもう少しネチネチ論じても良かった。
親しみを感じる鬼六論
著者が女性ということで期待しないで読んでみたが、団鬼六に親しみを覚えるほどのいい書きっぷりだ。鬼六作品で登場する、清楚な美女を苛む大阪弁の男たちにも焦点を合わせながら、鬼六の独自の世界、他のSM作家に先んじて追随を許さないものを見せてくれる。たしかに鬼六作品は単純な嗜虐趣味の裏に、ヒロインの美をこれでもかこれでもかと高めていく仕掛けがある。これが読者の期待と興奮を高めていく鬼六の戦術なのだろうが、この点も本書はしっかりと押さえている。
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